2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500076
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
山本 幹 関西大学, システム理工学部, 教授 (30210561)
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Keywords | P2P / トラヒック制 / 輻輳制御 / キャッシュ / ストリーリンミングP2P |
Research Abstract |
P2Pトラヒックの増大は、現在のネットワークオペレーションにおける重要な技術課題となっており、ユーザのコスト負担の問題からネットワーク中立性の議論を引き起こしている。本研究は、「P2Pにおいてユーザの公平性を実現するトラヒック制御を実現できないか?」というユーザの公平なコスト負担に向けた重要な技術課題に対し、ユーザ側P2Pシステムのトラヒック制御によるいくつかの可能性を探るものである。本研究では、P2Pトラヒックをネットワーク側で規制するのではなく、ユーザ側のP2Pシステム側が公平性を実現するべくトラヒック制御に積極的に関与する方向性を探ることを目的としている。本年度は以下の成果を得ている。 ・ ストリーミング型P2Pの公平性改善 ストリーミング型P2Pにおいては、先行して再生が進んでいるピアにダウンロード負荷が集中しやすい傾向がある。これを改善する手法として、再生タイミングの近いピアをオーバーレイネットワークにおける接続対象とする手法を開発した。 ・ P2Pキャッシュの効用 P2Pでは、単純にキャッシュを設けるとかえってここにコンテンツ要求が集中し、意図しないトラヒックが生じる可能性があることを明らかにした。 ・ トラヒック制御 初年度は課題検討として、選択したピアによって各ユーザの享受するファイル転送速度に差が生じないよう、各ユーザで授受されるアプリケーションレベル総トラヒック量を監視し、ユーザの受信する総トラヒック量に輻輳制御を施すことの有用性を検討し、基本的制御方式の設計をスタートさせている。 またトラヒック制御に関する研究として、動作OSの違いにおける輻輳制御がもたらす性能差を改善する手法、データセンターなど高速ネットワーク環境でのトラヒック制御、の開発を行った。
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Research Products
(4 results)