2011 Fiscal Year Annual Research Report
広域地質情報発信のための分散共有型WebGIS3次元地質モデリングシステムの構築
Project/Area Number |
22500094
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
升本 眞二 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40173760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAGHAVAN Venkatesh 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 教授 (30291602)
根本 達也 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10572555)
野々垣 進 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 特別研究員 (30568613)
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Keywords | 地質学 / モデル化 / 地理情報システム / データベース / Web-GIS |
Research Abstract |
本研究は3次元地質情報を発信するために開発したWeb-GISによる3次元地質モデリングシステムのプロトタイプシステムを基本として,データやモデルを分散して開発でき,かつ,相互に共有・活用できる新しいシステムの構築を目的とする.本年度の研究の主な成果は次の通りである. (1)理論的な基礎の確立:分散と共有に必要な3次元地質モデルの基本要素の中で,最もモデル構築結果に影響する地質構造の論理モデルを構築するためのevent列を,地層の接触面のデータから決定するアルゴリズムをまとめた(論文として公表).現時点で,このアルゴリズムは堆積と侵食のみの関係しか扱えないが,相互に矛盾のないデータセットを整備する上で役立つ.また,モデルの構築に利用した基礎データの分布等からモデルの信頼度を評価・表現する理論とアルゴリズムを検討した.これは,論理モデルが同じである複数のモデルを高い信頼度で結合することを可能にする. (2)システム開発:地層の対比などの手作業の部分を除くと,モデル構築の中で最も時間のかかる処理である地質境界面の推定を高速で行うための原理とアルゴリズムを開発した.また,それらをもとにWeb型境界面推定システムを構築した.本研究で取扱う3次元地質モデルは,サーフェースモデルであるのため,モデルを結合する場合に,境界面の再推定(計算)を必要とすることがある.本成果はその際の時間短縮を実現した. (3)開発したシステムの検証:分散型データベースの動作確認と部分的に開発された一部のシステムの共有実験を行った. これらの成果の一部は担当者で分担して関連学会において発表した.また,論文として投稿した(受理1編,査読中2編).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の3つの計画の中で,(1)理論的な基礎の確立,および(2)システム開発は予定通り進んでいる.また,(3)開発したシステムの検証は複数の機関間での実施部分が若干遅れているが,個別では予定通り進んでいる.これらから,全体としておおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの理論の確立やシステム開発などの成果に基づき,分散するモデルを結合するための基礎理論の確立とそのためのシステム開発の完成,および,テストデータを用いたシステムの検証を主に年度の前半に実施し,後半は成果の公表等を行う予定である.なお,現時点では,計画の変更や問題点はない.
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Research Products
(9 results)