2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500098
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
上原 稔 東洋大学, 総合情報学部, 教授 (70256775)
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Keywords | 軽量クラウド / ストレージサイド計算 |
Research Abstract |
既存Webサービスにおいて巨大データを操作しようとすると.ネットワークの隘路のために効率的な処理が困難である。本研究では、データの存在するストレージ側に処理を委託することでストレージと計算を統合する軽量クラウドを構築する。この統合型軽量クラウドでは、アプリケーションの処理の一部をモバイルエージェントとしてストレージ側に移送し、サンドボックスとしてアクセス権を管理した上でクラウド上のデータへのアクセスを許可する。また、コピーなどのファイル操作を遅延処理することで隠ぺいし、ユーザの使い勝手を向上させる。 本年度では、軽量クラウドの優位性を示すために既存クラウド(Eucalyptus)の課題について調査した。そこで、クラウドを意図的に過飽和状態(資源利用率が100%を超える状態)として運用実験を行った。その結果、性能は劣化するものの十分機能することが確認された。また、DaaS(Desktop as a Service)やアプリケーションのマルチテナント化についても試みた。DaaSはユーザ経験を向上させるが、利用率を向上させる効果はそれほど高くない。一方、アプリケーションのマルチテナント化には大きな効果があることが確認された。これらのことからクラウドの軽量化により一層のクラウドの性能向上が期待できる。 また、高度なストレージを構築するため、VLSDに圧縮機能、高信頼化機能、遠隔RAIDの高速化手法を取り入れた。圧縮機能は単体では効果が小さく、重複排除と組み合わせる必要がある。特に、複数の類似仮想マシンを稼働させる場合、重複排除の効果は大きいと期待される。高信頼化機能としてRAIDの新手法(NaryRAID,MeshRAID,複合RAIDなど)を開発した。また、遠隔RAIDを高速化するためにストレージ側でパリティ計算する手法を考案した。これはストレージサイド計算の一例である。
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