2011 Fiscal Year Annual Research Report
精度保証された平滑化に基づく微分計算による,医用ボリュームデータの解析・可視化
Project/Area Number |
22500100
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
田中 覚 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (60251980)
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Keywords | 平滑化 / 可視化 / ボリュームデータ / GPU / 半透明可視化 |
Research Abstract |
2011年度には、本研究で開発しているボリュームデータの平滑化手法である「ボリュームMPU法」の理論をまとめた学術論文を論文誌に発表することができた(Journal of Visualization誌)。この論文では、多重階層型の局所平滑化の理論と、そのボリュームデータへの応用例として動脈瘤、人体頭部、足部のデータを平滑化・可視化した例などが紹介されている。 このように、平滑化の理論は一応の完成を見たので、2011年度の後半からは、可視化に関連した技術開発を研究の中心に据えている。この研究には2つの柱がある。一つは可視化の高速化である。ボリュームMPU法で平滑化したボリュームデータをGPUを利用して高速可視化する研究を進めている。比較的小規模なデータに関しては、既に数倍程度の高速化を実現し、研究成果を国際会議で発表した(JSST2011,AsiaSim2011,ASV11)。もう一つは、ボリュームMPU法の精度保証を生かした高精細半透明可視化への応用である。サーフェス・ビジュアリゼーションとボリューム・ビジュアリゼーションを組み合わせた高精細可視化の手法開発を進めている。こちらも初歩的な成果を国際会議で発表した(JSST2011,AsiaSim2011)。 上記以外にも、手術シミュレーションの際の臓器の形状変形などを想定した関連研究として、不規則六面体メッシュ型ボリュームデータを高品質にサンプリングする手法を開発し、学術論文として発表した(日本シミュレーション学会論文誌)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で開発しているボリュームデータの平滑化手法である「ボリュームMPU法」の理論をまとめた論文を、国際論文誌に発表することができた。医療応用の事例も順調に蓄積されている。高速可視化や高精細半透明可視化などの発展研究に関しても初歩的な成果が上がりつつあり、それらを国際会議で発表している。
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Strategy for Future Research Activity |
平滑化の理論(ボリュームMPU法の理論)は一応の完成を見たので、2011年度の後半からは、可視化に関連した技術開発を研究の中心に据えている。GPUを用いた高速化をCPUの10倍以上とすることを目指す。また、ボリューム・レンダリングとサーフェスレンダリングに(人体の)切断表示を融合可視化する新しい可視化手法を完成させ、国際論文誌や国際会議で論文発表をする。
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