2012 Fiscal Year Annual Research Report
人体通信を利用したウェアラブル機器の設計に関する研究
Project/Area Number |
22500106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 健 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (40178645)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ウェアラブル機器 / データ通信 |
Research Abstract |
本研究の目的は,人体が電気的に誘電体と導電体の特性を有することを利用して,人体と情報機器が接触,あるいは近接したときにのみ通信が行われる「人体通信」をウェアラブル機器に広く利用するために必要な設計技術を確立することである.人体通信は平面状の電極を用いて人体内部と人体の周辺に電界を形成することにより通信を行う.この電極は普通の無線通信のアンテナに相当し,電極の大きさ,人体に対する配置,用いる周波数による電界の形成や送受信機間の伝送特性が変わる.本年度は数値人体モデルを用いた数値電磁界解析により人体通信用電極設計に関する様々な解析を行った.具体的には1)電極のインピーダンス設計,2)人体通信に適した数値人体モデルの簡略化,3)実験用ファントムの材料組成の検討,である.電極のインピーダンス設計では,電極間インピーダンスを高周波回路で標準的な50Ωに設定する具体的な電極の形状と配置の設計例を示した上で,一般的な設計指針を示した.数値人体モデルの簡略化においては,人体通信において支配的な人体組織が皮膚,筋肉,および脂肪であることを示し,これらの3組織を積層しただけの簡略モデルによっても伝送特性や電極のインピーダンス解析が実用上十分な精度でできることを示した.この簡略モデルの提案により,複雑な数値人体モデルを用いる必要がなくなり,人体の大きさや姿勢を容易に変更して解析が可能となった.この3層モデルは実験用ファントムの製造においても有効で,脂肪,筋肉,皮膚のファントム材料を順に型に流し込んで固化させて製造できるので,均一な組成のファントムより人体の電気的特性に近いファントムを得ることができる.本研究では脂肪と筋肉の電気的特性を近似する材料組成を特定したが,皮膚に関しては材料を決定することができず,今後の課題となった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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