2010 Fiscal Year Annual Research Report
常時利用可能なウェアラブル身体状態推定システムとその応用に関する研究
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22500113
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
松下 宗一郎 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (80339209)
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Keywords | 加速度 / 角速度 / バランス感覚 / ウェアラブル / 角加速度 / モーションセンサ / 軌跡長 |
Research Abstract |
研究初年度にあたる平成22年度では、身体運動を高精度にて計測する磁気式3次元位置センサ(Polhemus社・Liberty240)を導入・設置し、測定精度の検証を実施した。その結果、磁性体のみならず、非磁性金属によっても姿勢角(オイラー角)の精度が著しく低下することが分かり、身体装着型運動計測システムの設計ならびに計測環境の整備を行った。その結果、加速度にて重力の5/1000、角速度にて0.03度/秒の分解能にて運動計測を行えることを確認した。続いて、直立静止状態にある被験者の運動信号計測を、磁気式3次元位置センサ並びにヘッドホン型モーションセンサを併用しつつ実施した。実験では、安静時並びに1分間程度の階段登り運動といった計運動負荷後の身体状況観測を計23名の被験者について行った。そして、一定時間(典型的には10秒間)内における3次元運動信号のベクトル軌跡長の分析を行ったところ、速度、加速度、角速度、角加速度の3種の運動パラメータについて、被験者の身体バランス感覚状況を良く反映していることが確認された。一方、3次元空間内における移動距離を表す位置軌跡長については他の運動パラメータと比較して身体状況の表現能力において著しく劣っているのに対し、速度、加速度と時間微分次数を増加させた場合には、本来は計測雑音の影響をより大きく受けるにも関わらず、身体状況推定能力の向上が見られ、これらのパラメータが身体状態を推定する上で有用な情報を有していることが確認された。
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Research Products
(2 results)