2011 Fiscal Year Annual Research Report
高速・高精度な力覚提示機能を有した没入型VRシステムにおける設計支援環境の構築
Project/Area Number |
22500114
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
田村 祐一 甲南大学, 知能情報学部, 准教授 (50311212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅谷 智弘 甲南大学, 知能情報学部, 講師 (10397630)
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Keywords | 設計支援 / 力覚呈示 / 衝突判定 / VR / 可視化 / 電磁場シミュレーション |
Research Abstract |
1)電磁場シミュレーションコードの整備 今年度は当研究課題の一つの目的である核融合実験装置の設計支援のため,核融合炉内部への電磁波輸送現象解明のための数値シミュレーションコードの開発を行った.具体的にはFDTD法(時間領域差分法)を用いたシミュレーションコードの開発を行った.結果,電磁波輸送経路上の伝搬について空間的・時間的な電磁場の数値計算を可能とした.ただ,コンピュータの計算速度・メモリの制約から,せいぜい数十cmの長さでのシミュレーションにとどまっており,実際は数十mあることから,どのようにして実験データと整合性を取っていくかが今後の課題である. 2)電磁場シミュレーションへの力覚表現の適用 電磁波シミュレーション結果を力覚表現するという試みはほとんど行われていないため,どのような情報を力覚情報で提示すべきかの基礎検討および基礎システムの構築を行った. 一方,力覚表現は確かに直感的な情報を与えることができるが,視覚情報は一瞬で非常に多くの情報を同時に伝えることができるという利点がある.本研究の目的は設計支援環境を作ることなので,一度に多くの情報を伝えることが可能な視覚情報で,基本的な情報を提示し,視覚情報だけでは違いがわかりづらい細かな情報を"触覚の虫眼鏡"として力覚情報で提示することとし,本表現手法に適した可視化環境の構築を始めた.また,リアルタイムで数値シミュレーション結果を力覚表現することは,非常に難しいが,設計のPDCAサイクルを回すためには,リアルタイム性が不可欠であるため,この問題に対応することが今後の課題です.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高速な力覚表現という意味では,ある特別な状況を除いて実時間で計算可能としている.また,高精度化については,若干遅れ気味であるが,12に記述するとおり,高精度化を進めるより優先すべき課題があり,今年度ある程度の進捗がみられたため,おおむね順調に進捗していると評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
研究を進めていく上で,力覚表現の適切さ以上に表現する対象である数値シミュレーションの種類を増やすことが急務であることがわかってきた.確かに力覚表現をできるだけ人間の感覚に近づけていくことは重要な研究であるが,今回は可視化結果を目の前に呈示しているため,ある程度精度が低くても衝突している情報を伝えることができている.一方,電磁場シミュレーションのようなシミュレーション結果の場を力覚表現することは,空間内の細かな違いを呈示することになり,いわば"触覚の虫眼鏡"を新たに提案することになる.そこで,今後は場の力覚表現を中心に研究を進めていく.
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Research Products
(11 results)