2010 Fiscal Year Annual Research Report
知的社会構造を実現する高度分散知能システム基盤の開発
Project/Area Number |
22500125
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
濱上 知樹 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (30334204)
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Keywords | 分散システム / マルチエージェント / 強化学習 / スマートグリッド |
Research Abstract |
今年度は,高度分散知能システムの基盤技術となる分散協調技術の確立と,これを用いたいくつかの知的社会構造を実現する分散システムの構築について検討をすすめた.これらの検討により,下記3つの成果を得た. 1.大規模な分散協調系の最適化法として,2層型の分散協調契約ネットプロトコルアルゴリズムを開発し,自律的な階層構造が得られることを確認した.また,計算効率を上げるための,最適計算の際に選択的なサンプリングを行う手法を考案した.これらの技術を用いたスマートグリッド応用の事例として,配電系統の事故復旧問題を扱い,これまで最適化が困難であった大規模系統において,実用的な結果を得ることができた. 2.不完全知覚問題が多重に存在する環境において,複数のエージェントが協調して逐次的に問題空間を分割し,階層的に複素強化学習を行う手法を開発した.これにより,大規模な不完全知覚環境の学習効率に大きな成果を得た. 3.マルチホーム通信アルゴリズムにおいて,分散経路の学習をおこないシームレスな通信を実現するアルゴリズムを開発した.通信路が不安定な場合においても,複数の通信チャネルを用いたルーティングが可能となった. 以上のアルゴリズムはいずれも汎用性のある手法であり,本研究課題がめざす知的社会構造の基盤技術として大きな意義を持つ.これらの成果をもとに,さらに実データに基づいたアプリケーションへの応用をはかることで,本手法の有効性,適用限界をはかることが可能となった.
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Research Products
(19 results)