2010 Fiscal Year Annual Research Report
量子ビット表現に基づく整数型遺伝子表現法を用いた進化計算
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22500137
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
飯村 伊智郎 熊本県立大学, 総合管理学部, 准教授 (50347697)
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Keywords | 進化計算 / 量子ビット表現 / 整数型遺伝子 / 量子風進化的アルゴリズム / 対交換 / QEA / QEAPS / ナップザック問題 |
Research Abstract |
【具体的内容】本年度(平成22年度)は,Hanらによる量子ビット表現に基づく遺伝子表現を拡張し,その適用範囲を広げるべく,整数型遺伝子表現を可能とする遺伝子表現法について検討し,新たな「量子ビット表現に基づく整数型遺伝子表現法」を提案した. Hanらの量子ビット表現では,その性質上,観測結果として得られる遺伝子は0または1のバイナリ値となり,そのままでは整数値を扱えない.そこで本研究では,量子ビットを複数個用いることで,観測結果として整数値を得ることに着目した.つまり,一つの遺伝子座に複数個の量子ビットを割当て,観測結果である0と1の並びをグレイコードと解釈することで,整数値にデコードする. 提案した整数型遺伝子表現法をQuantum-Inspired Evolutionary Algorithm(QEA)およびQEA with Pair Swap(QEAPS)に実装し,一次元の整数ナップザック問題(Integer Knapsack Problem:IKP)を対象とした計算機実験の結果,提案した整数型遺伝子表現法を用いることで,量子ビット表現の性質上,扱うことのできなかった整数値を遺伝子とする組合せ最適化問題の一つであるIKPを解くことが可能であることを明らかにできた. なお上記成果に関しては,電子情報通信学会2011年総合大会にて報告した. 【意義,重要性等】本研究で提案した整数型遺伝子表現法を用いれば,従来の量子ビット表現に基づく遺伝子表現の適用範囲を拡大でき,バイナリ型の遺伝子以外に,整数型の遺伝子を必要とする組合せ最適化問題をも扱えることを示したことは,今後の進化計算の研究において意義のあることであると考える.
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