Research Abstract |
本年度(平成23年度)は,前年度に提案した「量子ビット表現に基づく整数型遺伝子表現法」について,その特徴を明らかにすべく,様々な整数ナップザック問題(Integer Knapsack Problem:IKP)を対象として,詳細に計算機実験を行い,その探索性能を分析・評価した.さらに,整数型の遺伝子として通常取扱われるIKPを0-1KPに帰着させることでバイナリ型の遺伝子としての取扱いを可能とし,IKPをバイナリ型遺伝子で表現した場合についても同様の計算機実験を行った.分析・評価の対象アルゴリズムは次のとおりである. 1.提案した整数型遺伝子表現法を用いるQuantum-Inspired Evolutionary Algorithm(QEA_int) 2,提案した整数型遺伝子表現法を用いるQEA with Pair Swap(QEAPS_int) 3,IKPを0-1KPに帰着させ,IKPをバイナリ型遺伝子で取扱うQEA(QEA_bin) 4.IKPを0-1KPに帰着させ,IKPをバイナリ型遺伝子で取扱うQEAPS(QEAPS_bin) また,実験に用いたIKPの問題インスタンスとしては,荷物の重量と価値の相関に着目した三種類のクラス(重量と価値の間に相関がないクラス,重量と価値の間に弱い相関があるクラス,重量と価値の間に強い相関があるクラス)を用いた. 計算機実験の結果,提案した整数型遺伝子表現法を用いたアルゴリズム(QEA_int,QEAPS_int)は,従来の(Hanらの)量子ビット表現に基づく遺伝子表現法を用いたアルゴリズム(QEA_bin,QEAPS_bin)に比べて,より短時間で準最適解を発見できることが分かった,なお,現実の社会における問題は,厳密な最適解ではなく,準最適解でも十分な場合が多いことを考慮すると,この結果は意義のあることと考える,さらに,厳密な最適解を求める場合,適切な遺伝子表現法はアルゴリズムに依存することも確認できた, なお上記成果に関しては,国内学会で3件(第10回情報科学技術フォーラム,電気関係学会九州支部連合大会第64回連合大会,情報処理学会九州支部火の国情報シンポジウム2012),国際会議で1件(NCSP'12)の報告を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載の研究実施計画に従い,提案する「量子ビット表現に基づく整数型遺伝子表現法」をおおむね分析・評価できた.さらに成果に関しては,平成23年度内に国内学会(3件)および国際会議(1件)において発表した.以上のことから,おおむね順調に進展していると判断した.
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