2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500141
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
高橋 和子 関西学院大学, 理工学部, 教授 (30330400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巳波 弘佳 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (40351738)
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Keywords | 時空間推論 / 人工知能 / 定性推論 / ソフトウェア学 |
Research Abstract |
前年度作成した矩形推論システムの拡張と時空間推論の枠組みの提供を行った 研究成果は以下の通りである。 1.矩形推論システムの拡張 矩形推論システムは表示部分に関する属性を付加した矩形を単位とし,表示すべき部分がすべて表示され,そうでない部分は隠されるような重ね合わせ方に関する推論をするものであり,前年度基本部分を作成している.本年度は,対象とする単位矩形のパターンの制約条件を緩和することで表現方法および推論方法を拡張し,プロトタイプシステムを作成した.さらに,はめ込みと埋め込みの2種類重ねあわせ方それぞれの特徴について理論的考察も行った. 2.定性時空間シミュレーションシステムの開発 3次元データの表現方法について検討した.その結果,研究室で開発したPLCA表現に点の相対的な高さの情報を加えた拡張表現を提案し,その表現の上でのシミュレーションシステムを開発した. 3.定性空間推論表現によって記述された表現の列に対する推論方法の提案 動作をRCCの列として定義する。定性空間表現の1つであるRCCを使って空間データを表現し,それらの列が与えられたどき,生起イベントを抽出する方法を提案した.この方法をバスケットボールの試合の動画データに応用し,方法の妥当性,有効性を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の2つの目的のうち,定性空間推論の応用の可能性を示すという点は,矩形推論の枠組みの提案およびそのプロトタイプシステムを作成したことで,マルチウィンドウの自動配置という応用の可能性を示すことができた.もう1つの目的である時間的変化を伴う空間データを扱う枠組みの提供については,定性空間表現としてよく知られた記述方法を使ってイベントを記述する方法を提案し動画を使って事例研究を行ったことから基本的な枠組みは提供できた.
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Strategy for Future Research Activity |
マルチウィンドウの自動配置システムについては学習やインタフェースに関してもかなり検討が必要だが,定性空間推論という本テーマからはずれるため実際のシステムつくりはしない.時間的変化を伴う空間データの扱いについては,本年度提案した枠組みをもとにもっと汎用性のあるものを提案し応用についても検討する.システム評価を行う入力画像の処理の専門家と共同研究ができればよいが,無理な場合は画像処理ツールの利用や半手作業での入力データの準備を行うことで対処する.
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