Research Abstract |
自動車キャビンに搭載した各種センサにて運転者の包括的な挙動をリアルタイムに推定し,これを車載の外界センサ情報から得られる自車両周辺の状況と照合して,運転者が認識している外界の状況,運転の意図,および運転者の心理状態を推定する方法論を構築する事を目指し,更には車-車間通信や車-インフラ間通信等のITS技術を援用して,自車周辺の詳細な交通状況のリアルタイムな把握と,安全運転支援を行う方法論を発案することが本研究の大目標である.そのアプローチとして状態空間モデルと状態推定を採用し,状態推定の並列計算による高速な状態推定の実装方法を開発して,これらに基づく安全運転支援の為の各種アプリケーションの提案を目指す 平成22年度の計画としては,自動車キャビンに顔手足の挙動を把握するためのカメラ等のセンサを設置して,運転者の包括的な挙動をリアルタイムに推定する方法の研究および開発を目的とし,(1)高速並列計算システムの導入とこれを用いた推定システムの構築,(2)顔手足それぞれの推定システムの構築,および(3)これらを組み合わせた高速並列計算による運転者挙動推定システムの構築を目指し,研究を遂行した 結果として,(1)では,Cell/B.E.による並列動画像追跡と,GPGPUによる並列高速動画像追跡の方法論を考案し,リアルタイムで動作するシステムも構築した,(2)では,顔および両手をカメラ動画像から推定する方法論を提案し,リアルタイムで動作するシステムを構築した.足については,マイクロ波のドップラ効果による速さ検知センサシステムに基づき,センサ信号波形からの周波数と振幅の推定ならびに足の動き推定を行う方法を提案した.(3)については,これらシステムを有機的に結合する方法を検討したが,この課題は平成23年度も引き続いて実施する
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