2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500183
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
野本 弘平 山形大学, 理工学研究科, 教授 (60456267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 薫 明治大学, 理工学部, 教授 (30183734)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 空間移動理解 / 感性情報 / 状況認識 / 空間認知 / 認知地図 / 環境 / 歩行 / 方向感覚 |
Research Abstract |
今年度の新たな研究は次の二つである.第一の研究は,3年間の最終段階として計画されていたもので,目的地が予め決められていない自由歩行おける空間移動理解を明らかにするものである.自由歩行において人は,移動により変化する環境空間から得られる感性情報を処理し,状況認識を行う.そしてその結果は,新たな感性情報への興味や状況認識の必要性を生み,新たな移動を誘発する.このインタラクションが,自由歩行の進行を促がし,次の経路を生成する.この仕組みを実験データから明らかにする.研究の結果,眼前に見える風景が大きく変化する地点で,川や公園などが印象を与えて進路をこれまでとは異なる性質の道へ誘導することなどが明らかになった. 第二の研究は,これまでの2年間の研究から生じた新たな課題である.すなわち,移動対象空間の環境が変化したとき,空間認知のメカニズムはどのように変わるかという研究である.具体的には環境の変化として積雪に注目した.積雪はランドマークとなる多くのものを覆い隠すため,一般に積雪時には空間移動理解は困難となる.そのとき,つまり積雪に覆われたとき,積雪のないときに比較して,空間移動理解のメカニズムはどのように変化するか,また,その変化は空間移動理解がよくできている人とそうでない人とで差異があるのかという課題に取り組んだ.研究の結果,積雪による空間情報の減少に対応するために2種類の戦略が存在することが明らかになった.一つ目の戦略は,より多くの努力を費やしてランドマークを探そうとするものであり,もう一つの戦略は,このような局所的情報収集を諦め,方向感覚を働かせて空間全体の理解に切り替えるものであった.両者のうちで空間移動理解能力が高かったのは,後者の戦略を取る人々であった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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