2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500185
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
内川 惠二 東京工業大学, 大学院・総合理工研究科, 教授 (00158776)
|
Keywords | 視覚情報処理 / 色覚 / 質感知覚 / 心理物理学 / 感性工学 / 金色知覚 / 表面反射特性 / 光沢感 |
Research Abstract |
平成22年度は、金色の色度範囲と光沢感との関係について心理物理実験により調べた。まず、金色に見える実物サンプル(金色球)を用意して、それをデジタルカメラにより撮影し、サンプル表面の撮影画像を作製した。実物サンプル表面を縦横40x40の1600等分して、その各点における輝度と色度を分光放射輝度計により測光した。次に、高輝度液晶ディスプレイ上に表面の撮影画像を呈示し、その各点の輝度と色度を実物サンプル表面の測光値に合わせるように調整して「参照画像」を作製した。その参照画像の見えと視覚マッチングしたCG画像をPhongモデルにより作製した。CG画像の表面の平均色度(65色度点)を変化させ、さらにそれぞれの平均色度画像上で鏡面反射強度を4段階に変化させ、平均色度と光沢レベルの異なる「実験画像群」を作製した。この実験画像群を刺激として被験者に呈示して、光沢感と色の見えのマグニチュード評価を行った。光沢感のマグニチュード評価では、全く光沢感を感じない場合を0、参照画像の光沢感を10とした。色の見えのマグニチュード評価では、被験者は最も金色だとイメージする表面の金色を10、全く金色に見えなければ0とした。その結果、刺激に光沢感がない場合、金色とは知覚されないが、光沢感の増加に伴い、金色と知覚される色度点が現れ、さらに光沢感が増加すると、金色の色度範囲はそれに伴い拡大することが分かった。また、光沢感増加に伴い、金色の強さはある色度範囲内で増加するが、その増加比は色度点により異なることが分かった。金色は彩度が高い色度領域において最も高い増加比を示した。本実験より、光沢感が同一色度点での色の見えに強く影響していることが明らかとなった。
|
Research Products
(1 results)