2011 Fiscal Year Annual Research Report
双腕拘束作業における人間の力感覚・運動相互作用の解明とデバイス反力設計への応用
Project/Area Number |
22500186
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 良幸 広島大学, 大学院・工学研究院, 助教 (40336920)
|
Keywords | 双腕作業 / 感覚・運動特性 / 反力設計 / 人間-機械系 |
Research Abstract |
前年度に構築した運動解析装置の制御精度の向上と,双腕拘束作業における手先運動特性と設定した反力負荷に対する知覚特性の測定実験を実施した.被験者(健常者な男子大学生5名)には正面に設置したディスプレイ画面を見ながらビープ音によるリズムに合わせて一定速度で左右独立に円軌道を描くようにハンドルを動かす一方で,インピーダンス制御で任意に設定したハンドルの操縦反力負荷を知覚するように教示した.なお,反力負荷に対する知覚特性の測定実験はマグニチュード推定法とマッチング法を組み合わせて行い,右側ハンドルに設定した反力負荷(2.5,5,10[Ns/m])と比較して,左側ハンドルにランダムで設定した反力負荷(0,2.5…,20[Ns/m])の大きさをパーセンテージで口頭試問形式にて回答させた.なお,反力負荷の大きさは粘性値を変化させて設定した. 今回設定した実験条件においては,(1)手先運動特性に関しては操縦負荷(手先速度)の大きさにかかわらず,各手による円軌道の追従精度はほぼ変化しないことを全被験者で確認した.そして,(2)反力負荷に対する知覚特性に関しては,被験者の知覚量は反力負荷の大きさに対してほぼ線形的に増加するとともにバラつきが大きくなり,旧来から報告されている姿勢維持中の知覚特性と同様となることを確認した.このことはつまり,(3)ヒトの反力負荷の感じ方は動作の有無に大きく影響されないことを示唆するものである.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該研究にて構築した実験装置の制御精度が思わしくなかったため,その改善に予想以上の日時が必要となったのが主な原因である.そのため基本実験にとどまり,当初予定していた本格的な研究計画を遂行することができなかった.
|
Strategy for Future Research Activity |
研究レベルに耐えうる十分な制御精度を確保したことから,今後は研究課題の目的を達成するために努めていく予定である.しかしながら,モデル構築に用いる実験データ収集は多大な時間と労力を要することから,被験者数と実験条件を減らし,ポイントを絞って研究を進める.
|