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2010 Fiscal Year Annual Research Report

文字探索課題における見落としエラー発生の脳内メカニズム

Research Project

Project/Area Number 22500197
Research InstitutionIbaraki University

Principal Investigator

矢内 浩文  茨城大学, 工学部, 講師 (10222358)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 早川 美徳  東北大学, 教育情報基盤センター, 教授 (20218556)
赤羽 秀郎  茨城大学, 工学部, 准教授 (50192886)
Keywordsカウント実験 / 日本文 / ひらがな / 漢字仮名交じり文 / 文脈依存性 / 人間の情報処理
Research Abstract

本年度は研究期間の1年目であった。本年度は、私たちが過去数年にわたり種々の環境で少しずつ試行的に実施してきた<「の」カウント実験>を、統制の取れた環境で実施することを目標とした。これまでに得ていた実験結果に基づいて立てた仮説(のうちの一つ)の正しさを検証することに主眼を置いた。<「の」カウント実験>では、自然な文章中の文字「の」をカウントする課題に取り組む。1ページの文章に20~30個ある「の」を数える課題であるから簡単な課題に思えるかもしれないが、もれなく数えるのは至難の業である。正解者数は2~3%で、半分以上見落とす者も少なくない。また、実際よりも多く答える者さえいる。このような事実は以前から経験的に知られており、集中を要する目視検査作業との関係などが考察されるなどしたが、この実験を定量的に考察した研究は見当たらない。
本年度の実験では、次の2つの課題文で結果を対比した。
【自然文】571文字から成る漢字仮名交じり日本文(随筆より引用)。「の」は25個(出現率4.4%)。
【ランダム文】自然文を文字単位でランダムに並べ替えした無意味文字列。したがって「の」の個数は自然文と同じ。この設定により、純粋な見落としエラーと、「の」カウント実験特有のエラーを対比することができる。すなわち、他の文字とは形の異なる図形としての「の」を見落とすエラー(ランダム文の場合)と、文の要素としての「の」の役割に依存した見落としエラー(自然文の場合)である。
実験の結果、ランダム文の見落としエラーは平均2.4個、自然文では3.6個であった。分析の結果、この差は統計学的に有意であった。単純な探索と文脈に影響された探索の間の明確な違いが判明した。今後も研究を進めることにより、人間の情報処理メカニズムの理解が一歩進むだろう。

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Published: 2012-07-19  

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