2012 Fiscal Year Annual Research Report
文字探索課題における見落としエラー発生の脳内メカニズム
Project/Area Number |
22500197
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
矢内 浩文 茨城大学, 工学部, 講師 (10222358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 美徳 東北大学, 教育情報基盤センター, 教授 (20218556)
赤羽 秀郎 茨城大学, 工学部, 准教授 (50192886)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 認識 / 見落とし / 見逃し / 無意識 / 文字 / 漢字 / 平仮名 |
Research Abstract |
本年度は3年間の研究計画の3年目であった.1年目は,文字列の種類の違いが「の」探索に及ぼす影響の分析を中心とした.則ち,自然文と,その自然文を文字単位でランダムソートしたランダム文字列に対する「の」見落とし率の違いに注目した.「の」探索課題の教示で内容の把握は求めていないにもかかわらず見落としが発生するのは,注意資源の一部が無意識に意味を把握することに消費されているという仮説を検証するためであった.結果は仮説を肯定するものであった.ランダム文字列の方がエラーが少なかった.ところが,探索対象である「の」の直前文字種別にエラーを整理したところ,直前文字が漢字の場合と平仮名の場合でエラーに差が見られた.これは,英文の文字見落とし研究で,eの見落としエラーが単語内のeの位置に依存することと関連付けられると考えられた.そこで2年目は,直前文字種依存性に注目した実験と分析を行なった.その結果,直前文字種が漢字と平仮名の場合の見落とし率に有意な差があることが分かった.以上を踏まえ,3年目の本年度は次の目標を掲げた. (1)自然文とランダム文字列のエラー差の要因を直前文字種の観点から再分析する.(2)直前文字種別のエラー発生率のみならず,分布も分析する.(3)見落としエラーが直前文字種に依存することを注意配分の観点からモデル化する. その結果,上記の番号に対応付けて述べると,(1)自然文とランダム文字列のエラー差は直前文字種依存で説明できる部分が多く,無意識に読んでしまうことが原因と断定はできない.よって,直前文字種依存と無意識に読む効果を分離できる課題作成が必要だということが明らかになった.(2)直前文字種によるエラー発生率の相違はエラー分布形の相違に起因していることが分かった.(3)モデル化のための原案を作成した.今後,実験結果を説明できるパラメータ推定に取りかかる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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