2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500207
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮島 廣美 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科(工学系), 教授 (60132669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重井 徳貴 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (90294363)
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Keywords | 連想記憶 / 量子コンピュータ / 量子探索 / グローバのアルゴリズム |
Research Abstract |
連想記憶については、これまでにもニューラルネットワークをはじめとして、(ファジィ)形態学的連想モデル等多くのモデルが提案されている。本研究は、グローバ等の量子探索アルゴリズムを一般化した量子連想記憶システムの構築を目指したものである。ここでは、量子探索アルゴリズムを量子問題の一つとしてとらえ、シュレディンガー方程式を解くことによりアナログ時間モデルの量子探索アルゴリズムを導出し、これをもとに最終的にはディジタル時間モデルの量子探索アルゴリズムを構築する。この体系化は、量子探索や量子連想アルゴリズムの構築に対する新しいアプローチ法を提案したといえる。本年度は以下のような成果が得られた。これらの成果は、学術論文、国際会議や国内の学会等で発表した。、 1)シュレディンガー方程式を解く事により、量子ウオークにもとづいたアナログ時間の量子探索アルゴリズムを導出した。 2)(1)のアルゴリズムは、探索データや記憶データ数が一般化された問題には、必ずしも最適な解が得られないので、これを改良したアナログ時間の量子アルゴリズムを提案した。またその有効性を理論とシミュレーションで検証した。 3)(1)のモデルをディジタルモデルに応用したものがグローバの探索アルゴリズムであること、そのアルゴリズムは(2)で扱った一般化された問題には効果的でないことを示した。さらに、(2)で扱ったアルゴリズムのディジタルモデルに応用したアルゴリズムを提案し、その有効性を示した。 4)アナログモデルをディジタルモデルに直接応用した場合には、最適な時間(繰り返し回数)にずれが生じること、それゆえ(3)の探索アルゴリズムでは必ずしも最適な解が得られないことを明らかにした。これを改善するために、位相ローテーションの概念を導入し、改善された解を与える量子探索アルゴリズムを提案し、その有効性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シュレディンガー方程式から量子探索アルゴリズムを導くこと、これを用いてディジタルモデルに対する量子探索アルゴリズムを構築することができた。このアプローチ法をもとにして、連想記憶の量子アルゴリズムを導くことができると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
連想記憶は、量子探索の一般化と考えられるので、シュレディンガー方程式の初期条件を変えて解くことにより連想記憶め量子アルゴリズムへ到達できると考えている。
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