2011 Fiscal Year Annual Research Report
複雑な制約や構造を有する最適化問題に対する多点探索型手法の適用法に関する研究
Project/Area Number |
22500210
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
相吉 英太郎 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90137985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 恵一郎 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (30220148)
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Keywords | システム最適化 / ソフトコンピューティング / 計算アルゴリズム / ヒューリスティックス / 多点探索法 / Particle Swarm Optimization / Differential Evolution |
Research Abstract |
本研究の目的は,複数の探索点の相互作用が織り成す多様化と集中化の作用によって,関数の微分可能性を前提にせずに関数値のみの情報を用いて,大域的最適解を効率良くかつ精度良く探索することができる最適化手法を開発すること,およびこれらの開発した最適化手法を用いて,1.複雑な制約条件を有する問題,2.複雑な構造をしている問題,3.複数の解が離散的に散在する問題,などに対して有用な計算アルゴリズムを開発することである.とくに当該年度は、基礎研究とともに応用性に力点を置いた. (1)乱数係数を有する力学系で記述されるアルゴリズムの統計的安定性解析に基づくParticle Swarm Optimization法 (2)問題に適応したパラメータの自己調整機能を付与したDifferential Evolution法 (3)Particle Swarm Optimization法の力学系にDifferential Evolutionを冠することで駆動力を増強させたハイブリッド化手法を新たに提案した.そして,これらの成果を踏まえ,またこれらの開発手法の応用として, (4)連続変数から順列を生成する作用素を介在させ,同時に等式制約条件を陽に考慮した0-1組合せ最適化問題に対するPSOを用いた解法 (5)順列変数最適化問題に対して連続変数から順列を生成する作用素を介在させたParticle Swarm Optimization法 (6)半正定値行列最適化問題に対してParticle Swarm Optimizationを用いた解法 を開発し,それらの計算機実験によって計算性能や有用性を確認し,学術論文の公刊および学会発表講演をおこなった.また,実際的問題への適用として,サーフェスモータのステータ・ムーバ磁極の最適設計問題を解くことに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題に関して,初年度4報、2年目の当年度3報の合計7報の査読付き学術論文を刊行するなど,所定の成果を収めている.とくに乱数係数を有する力学系の安定性解析に基づく新しい視点の計算アルゴリズムのパラメータ設定法の知見を得た意義は大きいといえる. また,PSOをはじめとする多点探索法、ないしはメタヒューリスティック手法の用途を,本研究によって広めている点は評価に値する.
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Strategy for Future Research Activity |
大域的最適化手法として,カオス力学系を用いた手法を開発することも目標としているが,提案できた有力なカオス最適化手法は1種類だけであり,今後に向けて注力すべき課題と考えている.とくに,制約条件付き最適化問題に対して,制約条件を陽に考慮したカオス最適化手法の開発が今後に向けた注力点であると考えている. また,多点探索法の基礎理論として,多点探索法のアルゴリズムを結合力学系とみなしたときの基礎的な性質について,何らかの知見を得ることを目指したいと思う.
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Research Products
(8 results)