2012 Fiscal Year Annual Research Report
ベイズ神経回路網の研究と隠れマルコフ鎖推定への応用
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22500213
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 嘉房 愛知医科大学, 公私立大学の部局等, 客員教授 (10022774)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 隠れマルコフ鎖 / ベイズ判別関数 / マハラノニビス判別関数 / 神経回路網 / 学習 |
Research Abstract |
研究の目的は隠れマルコフ鎖を推定し得る神経回路網の構築である。回路網の主要部はベイズ判別関数の学習が可能な三層神経回路網である。隠れマルコフ鎖は、複数の状態間の遷移の連鎖であるが、状態は観測されず、推定の対象である。各状態において生成される信号をもとに、事前確率を求めて、各時点における状態をベイズ推定する。 状態が異なればベイズ判別関数は異なるので、隠れマルコフ鎖の推定には複数のベイズ判別関数が必要であり、それらが神経回路網により学習されなければならない。それには、通常、複数の神経回路網が必要であるが、それらが類似している場合、単一の神経回路網に若干の記憶素子を装備し、状態に応じて各素子への接続を切り替えながら学習すると、複数のベイズ判別関数が同時に学習できる。昨年度までにそのアルゴリズムは開発した。 実データを扱う際、しばしば遭遇する問題は教師信号の数の不足である。当年度の研究において、母集団分布が正規分布に近い場合、この問題をほぼ解決する方法を開発した。中心極限定理と大数の法則を援用して教師信号の数を増やす。その際、信号の分布がある程度の歪みを生ずるが、信号の分布がもともと正規分布に近ければその歪は小さい。 今年度の研究において、さらに、この方法が、単一の神経回路網による複数のベイズ判別関数の学習のアルゴリズムと併用できる事を示した。中心極限定理が有効に働いて、データが不足する場合の複数のマハラノビス判別関数の推定に応用できるので、そのようなタイトルで、この研究の中間報告としての意味をもつ形にまとめ、研究結果をNeural Computations に投稿した。しかし、シミュレーションを充実するようにとのコメントがついて、目下、対応中である。この論文の出版にめどをつけて後、シミュレーションをもう少し充実させて、神経回路網による隠れマルコフ鎖推定の論文の執筆に入る。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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