Research Abstract |
アントコロニー最適化(Ant Colony Optimization,ACO)手法は,アリの採餌行動の際の経路生成過程にヒントを得た探索手法であり,巡回セールスマン問題(Traveling Salesman Problem, TSP),2次割当て問題(Quadratic Assignment Problem, QAP)など多くの組合せ最適化問題に適用され,有効な結果が得られている.アリはフェロモンを介したコミュニケーションを行いながら群れで行動し,ある種の秩序を形成する.ACOでは,この秩序形成過程を探索に用いる.ACOの基本モデルは,Dorig0らによるAntSystem(AS,1996)と呼ばれるアルゴリズムに代表される.その後,多くの改良型ACOアルゴリズムが提案されている.本研究では,申請者が提案したcAS(Cunning Ant System)を用いた. 多くの組合せ最適化問題では,解を高速に解くことが重要となっている.例えば,スケジューリング問題では,条件の変更などによりリスケジューリングが必要になり,実時間で高速に解を求めることが要求される.近年,GPU(Graphic Processing Unit)による超並列計算(以下,GPU計算)が注目されているが,本年度はGPU計算を適用して,ACOを超並列計算する方法の研究に重点を置いた.GPU計算では,多数のスレッドをを効率的に動作させることが重要となる.このため方法として,MATA(Move-Cost Adjusted Thread Assignment)と呼ぶ方法を提案し,代表的な組合せ最適化問題であるQAPに適用し,その効果を確認した.
|