2010 Fiscal Year Annual Research Report
情報探索プロセス分析に基づく協調的情報検索支援のための履歴共有システムの構築
Project/Area Number |
22500218
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松村 敦 筑波大学, 大学院・図書館情報メディア研究科, 助教 (40334073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇陀 則彦 筑波大学, 大学院・図書館情報メディア研究科, 准教授 (50261813)
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Keywords | 情報図書館学 / 情報システム / ユーザインタフェース / 履歴共有 / 協調情報検索 / 検索履歴 / 発話思考法 / ユーザビリティ評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は,利用者の情報探索行動の履歴に着目し,これを適切に構造化し共有するためのシステムの実現である.本年度は,1)利用者の履歴活用行動を明らかにする利用者実験,2)履歴の構造化・共有・表現手法の検討とプロトタイプによる評価を行なった. 1)では,検索履歴をどのように利用しているかを把握するための実験を行なった.CiNiiウェブAPIを利用して,クエリの履歴と検索結果の重複を表示する論文検索システムを実装した.このシステムによって発話思考法を用いたユーザビリティ評価及び検索実験を行なった.ユーザビリティ評価によって,履歴の選択的消去を可能とし,ページ番号の表示方法を改良したが,このような微修正が,評価実験において高く評価された.特に,クエリ履歴の消去といった編集操作が利用者によって行なえることは検索行動と発話から重要であることが明らかとなった.一方,利用者になじみのある課題とない課題とでは履歴の活用方法に大きな違いはなかった. 2)では,複数人での情報共有の方法を検討するために,検索を含む学習のノウハウの共有方法について知識モデルを援用して考察し,図書館システムとして実装した.また,掲示板での議論を題材とし,議論を時系列に沿って構造化するシステムを実装し,その利用方法を調査した.この結果,時系列に沿って内容を表すキーワードの2次元配置によって議論の内容を把握する手助けとなることが示され,これによって時系列とキーワードによる履歴表現が有用となる可能性を示した.さらに,検索履歴の表示方法として,タイトルとスニペットによる表示と画像を中心とした表紙による表示を比較したところ,表紙として提示する方が内容の把握にも貢献すると同時に,印象的な画像を含む表紙を利用者が好むことが明らかになった.今後,これらの知見をインタフェースとして取込む予定である.
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