2011 Fiscal Year Annual Research Report
大学の研究力診断のための多次元アセスメント手法の開発
Project/Area Number |
22500227
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
孫 媛 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (00249939)
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Keywords | 書誌計量学 / 評価指標 / 研究評価 |
Research Abstract |
近年,研究評価のための客観的指標に対する要請が高まり,ビブリオメトリックス指標に関心が向けられている。しかし,インパクトファクタなどの諸指標は適切に用いられているとは言い難く,評価される側の大学や研究機関も,評価結果から得られる情報を十分に活用しているとはいえない。研究評価は本来,各大学・研究機関が自らの強みや弱点を知り,将来の方向性を決めるために用いるべきものであり,その結果に一喜一憂するだけであってはならない。本研究では,大学の研究力を単に一次元的にランキングするのではなく,大学の特徴を明示することのできる多次元アセスメント手法の研究を行っている。 平成22年度には,研究力の指標として論文数・論文の被引用回数以外に研究費に着目し,科学研究補助金データを用いて研究分担者の情報も取り入れながら,研究費指標を用いた大学間研究ネットワークについて検討を進めた。また,産学連携について大学Web上から情報を収集し,自然言語処理および機械学習ツールを用いて自動判定する手法の検討を開始した。 平成23年度では,前年度の検討結果を踏まえて,(1)科学研究補助金データベースを用いて代表者・分担者の所属情報をもとに,大学・研究所等の組織間の共同研究の活性度と多様性を評価する指標を提案し,これらの指標と研究の質(科研費課題の採択率等)の関連性を分析した。(2)大学の産学連携については,Webから産学連携研究を抽出して教師データを作成し,機械学習によって産学連携研究の抽出を行う方法を検討した。SVM(Support Vector Machine)の応用による機械学習の精度向上について評価し,キーワード検索が有効であることを示した。研究の成果は学会等で公表した。また一部は2012年度の学会等で公表の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
使用データの整備・クリーニング作業に多くの時間と労力が必要であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討結果を踏まえたうえで,指標の探索・提案を引き続き行なっていく予定。さらに,特許データや新聞記事,論文データを加え,多方面から研究活動の特徴を解析していきたい。
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Research Products
(8 results)