2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500230
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
井出 明 追手門学院大学, 経営学部, 准教授 (80341585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 憲一 奈良県立大学, 地域創造学部, 教授 (90248633)
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Keywords | 観光学 / 情報学 / 観光情報学 / 情報爆発 / SNS |
Research Abstract |
観光地における観光情報の流れを解明するという目的自体は、かなりの程度で達成されつつある。研究の結果わかってきたことは、観光情報の流通経路が大きく様変わりしつつあるという点である。WEBにおける従来の観光情報の流通経路は、ホテル・レストラン・文化施設・自治体などがWEBサイト(ホームページ)を通じて情報を発信し、観光客はそれを受容するという段階があり、その後、実際に観光を体験したビジターが、クチコミサイトや自身のブログで経験を発信するという形態を取ることが多かった。換言すれば、旅行者は自分の行きたい観光地を選んでから情報を収集し始めた。 しかし、ここ1-2年でFacebookを始めとしたソーシャルネットワークサービス(SNS)が急速に普及した結果、観光行動を誘発する第一段階の情報刺激が、SNSにおける友人の発信である事例も増えてきている。友人からの情報刺激は、インターネットが出現する以前からも存在していた観光動機であろうが、SNSの爆発的普及は、観光行動に関する友人からの影響をより一層強くしていると言ってよいであろう。今後はSNSの発展動向を睨みつつ、観光情報の生成・流通・拡散・消費過程を追いかけることになることが予想される。技術的には、情報のトレースのプロセスが追いやすくなるので、マーケティングがしやすくなるであろうが、個人情報保護の観点からは、SNSを通じて流れる情報の管理については、より丁寧な取り扱いが求められる事になると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該研究計画を執筆していた当時は、Facebookを始めとするソーシャルネットワークサービスが、観光に大きな影響をあたえることが予想されておらず、研究計画書にほとんどこの論点を盛り込んでいなかった。しかし、現在、口コミを中心とした観光情報は、SNSで流れるようになっているので、この部分への考察が必要となる。
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Strategy for Future Research Activity |
前述のとおり、WEBを流れる観光情報のかなり多くが、FacebookやTwitterといったSNSを経由して伝播されるようになってきたため、この分野に対する論考を始めなければならないと考えている。具体的には、代表的な観光地、ホテルなどがSNSを通じてどのような観光情報の発信を行い、それが一般客の間でどのように共有されつつあるのかという点について具体的に考察することが求められるであろう。
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