2011 Fiscal Year Annual Research Report
消費者発信メディアの発展がクチコミおよび消費行動に与える影響の研究
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22500235
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
山本 仁志 立正大学, 経営学部, 准教授 (70328574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 博彦 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教 (70447580)
岡田 勇 創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)
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Keywords | CGM / ソーシャルメディア / シミュレーション / 企業内SNS |
Research Abstract |
CGM空間上でのコミュニケーションネットワークの発生メカニズムを明らかにするために、平成22年度の調査結果をもとに人間の心理/感情というミクロレベルの要因がCGM上におけるネットワークをどのように形成しうるかを分析するシミュレーションモデルを構築した。心理/感情のモデル化では、ネットワーク構造の分析上重要となる要素についてモデル化をおこない、ネットワーク上の空間構造の影響を分析した。また、心理/感情のモデルで抽出された要素を計算機実験の枠組みで記述するための内部設計を行い、ランドスケープ探索によるパラメータの妥当性検証と調査結果との整合性をとった。 構築されたモデルを用いて、CGM上でのネットワーク生成メカニズムを分析し、このネットワーク構造と参加者の心理モデルが、メディアや市場への信頼にどのような影響を及ぼすのか、情報の特性やメディアの特性による情報伝播や信頼形成のシミュレーション実験をおこなった。 更に、CGMの活用が企業組織内のコミュニケーション活性化につながる可能性に着目し、企業内SNSが組織コミュニケーションの活性化につながるのかどうかに関する分析をおこなった。特に組織内のコミュニケーションにおいては、参加者がどのように目的を共有しどのような態度でコミュニケーションに参加するのかは重要な観点となる。 ここでは構築した心理/感情のモデルを援用し、企業内SNSの導入に対してどのような期待や懸念があるのかの要因を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、3月11日に発生した東日本大震災に着目し、CGMすなわわちソーシャルメディアの活用事例として災害時における地域SNSの役割や有効性に関する調査および分析を実施し、その成果を投稿論文および学会発表にて公表している。また、あらたにCGMが企業組織内部のコミュニケーションに与える効果を検証する分析を開始した。これは、CGMが消費者行動のみならず、組織内部の個々人のコミュニケーションにも影響を与える可能性にも着目したためである。調査分析の成果を学会発表に手公表している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、シミュレーション結果で得られたCGMがメティア・市場の信頼に与える影響のシナリオを検証するために、CGMへの参加とメディア・市場への信頼の関係性を分析する調査・分析をおこなう。24年度後半は成果の統合と公表を中心におこなう。公表においてはシミュレーション分野として、ESSA/WCSS/AAMASに参加し、消費者行動の分野においては、経営情報学会、日本社会情報学会を予定している。
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Research Products
(12 results)