2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500241
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
井須 尚紀 三重大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50221073)
|
Keywords | 動揺病 / 船内シアター / 映画上映法 / シミュレータ |
Research Abstract |
航海中の映画視聴を通して船酔いを軽減する方法を開発することが本研究の目的である。映画と同時に船舶の揺れに合わせた視運動刺激を与えることで、船酔いの原因である視覚-平衡感覚間の感覚情報競合を抑制し、船酔いの軽減を図る。この目的のために、本年度はまず、航海中に映画視聴を行うことによってどの程度船酔いが増強するかを心理学的測定法によって定量的に測定した。 本学生物資源学部附属練習船 勢水丸を使用して航海実験を実施した。本学学生9名(男子6名、女子3名)を被験者とし、2泊3日の航海(伊勢湾~太平洋大王沖)中に1試行30分間の実験を5回行った。被験者を3名ずつの3群に分け、1)船室で映画を視聴する、2)船室で室内を見ている、3)日中に甲板で外を見ている、の3条件をローテーションするように割振った。各試行の開始時および終了時に7項目の動揺病症状の程度について0~3の4段階で回答させるとともに、船酔い強度(不快感)を0~10の11段階のスコアで5分毎に答えさせて測定した。また、映画視聴時の呼気二酸化炭素分圧を測定した。実験の結果、1)船室で映画を視聴する時と2)室内を見ている時の間には、船酔い強度の推移に差異が見られず、いずれも30分間で中程度の不快(不快度スコア:3~4)となった。一方、3)日中に甲板で外を見ている条件では、30分間で不快感は幾分軽減した。また、映画視聴時の船酔い増強に伴い、呼気二酸化炭素分圧の低下が観察された。
|