2012 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症スペクトラム障害の実行機能と中枢性統合に関連する認知特性の解明
Project/Area Number |
22500244
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鳥居 深雪 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (90449976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 智 北海道大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (10458862)
下山 一郎 千葉大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60115483)
杉田 克生 千葉大学, 教育学部, 教授 (40211304)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / 中枢性統合 / 実行機能 / 前頭葉 / 近赤外線スペクトロスコピー / 子ども / DN-CAS / 方略教育プログラム |
Research Abstract |
1.高機能自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもの、実行機能(EF)と関連する弱い中枢性統合(WCC)について認知特性の解明 昨年度までのデータに加え、定型発達(TD)児、6名のデータを追加し解析を行った。子どもの言語反応の質的検討の結果、ASDの子どもは「統合的な意味理解の失敗」(p<.05)、「重要な情報の見落とし」「情報のとらえ間違い」(p<.01)が、TDの子どもより有意に多かった。しかし、背景を削除した写真では、「情報の見落とし」は差がなかった。言語反応の質的な差は、ASDの子どものWCCが要因であると考えられる。さらに、NIRSの測定結果では、TDは課題遂行時に前頭前野の血流量が有意に増加する傾向が共通していたが、ASDは、右前頭前野の反応が低く、左前頭前野の反応は個人差が大きかった。WCCは、右前頭前野が関与していると考えられる。この結果は、概要を小児精神神経学会で発表し、詳細をAutism and Developmetal Disordersに投稿中である。 2.方略を使用できるようにするためのプログラムの検討 EF方略教育プログラム(EFSEP)とCC方略教育プログラム(CSEP)のワークブックを作成した。ESEPは7名のASD児に実施しDN-CASを使って評価した。ESEP実施後,「同時処理」は6名、「プランニング」は3名が上昇し、「注意」「継次処理」は,効果は見られなかった。CSEPは、9名のASD児に実施した。実施後,「プランニング」は3名が上昇したが、「同時処理」「注意」「継次処理」は,子どもによって差があった。全検査得点は、ESEP実施群で4名、CSEP実施群で3名が有意に上昇した。ESEPでは「同時処理」、CSEPでは「プランニング」について、プログラムの効果が見られ「全検査」得点が上昇した。この結果は、日本LD学会発表論文集に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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