2012 Fiscal Year Annual Research Report
音楽における長調と短調から受ける明暗の感覚の神経生理学的基礎の研究
Project/Area Number |
22500246
|
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
根本 幾 東京電機大学, 情報環境学部, 教授 (40105672)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 音楽 / MEG / fMRI / 長調と短調 |
Research Abstract |
研究の目的は音楽における長調と短調から受ける明暗の感覚の神経生理学的基礎を解明することである. 24年度において,長短三和音に対する反応のfMRI計測は一応完結した.本年度は長短三和音に加え,不協和度のより高い減三和音,同じく不協和音でも長三度を重ねた増三和音も使用した.結果はすべての種類の和音に対して海馬傍回においてある程度の活動が見られた.この領域は特に負の情動に関わるとされるが,部分的に快情動にも関与するとの報告もあり,長三和音に対する反応はそれに対応していると思われる.短三和音や減三和音に対しては,脳内で負の情動に係るとされる部位,すなわち島,帯状回,海馬傍回などに大きな反応が見られた. 長短音階に和声付けを行い,より情動的な色彩を持たせfMRI計測を行った.結果は上記の和声実験とはかなり異なっていて,情動関連部位との結び付きはより微妙であった.和声付けした長音階は上側頭回を強く活性化したが,ここは幸福感との関連が報告されている.本研究においてMRIのスキャンノイズの影響を避けるため,スキャン時には刺激音を聞かせない方法(スパース撮像法)を用いたが,これは全般的に反応を弱くした傾向があり,検討を要する. MEG(脳磁図)を用いた研究では,長短三和音に20HzのAM変調を掛け,トレモロのような効果の音を聞いたときのMEG中の20Hz成分の信号源推定を行った.その結果短三和音に対する反応が長三和音に対するよりかなり大きかったが,応答は時間的に多少遅れる傾向もあることが分かった.被験者数を増やしてより統計的に適切な信号処理をする必要がある.短音階に対するMEG計測では,従来から進めている自然的短音階と和声的短音階に対する反応の大きな違いに注目して測定した.この大きな違いは我々にとって驚きであったので,被験者を増やして確実なものとしたい.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(12 results)