2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500249
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
関 陽子 科学警察研究所, 法科学第四部, 部長 (10356157)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 筆跡鑑定 / 注視点解析 / 認知科学 / 法科学 |
Research Abstract |
筆跡鑑定の目的で筆跡を観察した際の視線の動きを,筆跡鑑定を職業としている者とそうでない者(一般の者)を被験者にして測定し,両者の間で筆跡特徴抽出方略に相違があるかどうかを検討した. 被験者は,筆跡鑑定を職業としている者8名(男性4名,女性4名,平均年齢32.5歳)と一般の者10名(男性4名女性6名,平均年齢33.2歳)であった.被験者は,スクリーンに提示された2種類の筆跡(筆者がわかっている筆跡と筆者がわからない筆跡)を観察し,両者が同じ筆者によって書かれたかどうかを判定した.提示した筆跡は,16名の成人男性が書いた架空の人物の氏名で,16名中の1名を筆者がわかっている筆跡(対照筆跡)の筆者として,この筆者は提示筆跡を5回筆記した.他の15名は筆者がわからない筆跡(疑問筆跡)の筆者とし,疑問筆跡を1回のみ記載した.対照筆跡の筆者の筆跡5個のうち,2個は対照用,残りの3個は疑問筆跡用に使用した.このため,実験に使用した疑問筆跡は18個で,実験は18セッション行った.実験では,対照筆跡2個と疑問筆跡1個を提示し,疑問筆跡の筆者が対照筆跡の筆者と同じかどうかを被験者に判断させ,判断の根拠も回答させた. 視線の動きの測定には,アイトラッキング装置を用い,視線の動き,停留箇所,停留時間を測定した. 筆跡の観察時間を,筆跡鑑定を職業としている者と一般の者とで比較したところ,職業としている者の観察時間が有意に長かった.視線の停留箇所および停留時間の比較結果からは,一般の者は書かれた文字の形態に注目しているのに対し,職業としている者は,文字の形態のほかに,記載枠内の文字の書き出し位置や文字の間隔など,文字の形態以外にさまざまな情報を利用していることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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