2012 Fiscal Year Annual Research Report
統計的逆問題を用いた大脳内連関のシステム同定に関する研究
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22500254
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
岸田 邦治 岐阜大学, 工学部, 教授 (90115402)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 脳磁図 / 統計的逆問題 / フィードバックシステム / ブラインド源分離 / 脳内通信 / 正中神経刺激 |
Research Abstract |
大脳のダイナミカルな働きを知ることは脳内活動部位間のインパルス応答を調べることから脳内部位間の通信を調べることに関連している。その際、脳内活動部位が3箇所以上である場合を取り扱うことが重要であった。今年度の具体的な発展として、正中神経繰り返し刺激に際して活動する左右の第一次体性感覚野と反対側第二次体性感覚野の3箇所の脳内部位に関する多重フィードバックモデル解析を試みた。フィードバックモデルの伝達関数は合成伝達関数か素の伝達関数であるかの見極めが大切であり、今後、データから同定される多成分フィードバックモデルの解析結果がロバストになるような工夫が脳磁図データのブラインド源分離に際して必要となることが分かった。 本フィードバックシステム論的手法を脳磁図データに適用する上で、SQUIDから脳内電流源データへの逆問題を実行するが、統計的観点から脳磁図データの異常分離分解となっていないことを確認するために再構築された脳内部位の電流源データ間のcoherenceが高周波領域での振舞いを目安にすればよいことが分かった。 今年度、新たにチャンネル数が数倍になりサンプリング周波数も数倍上がった(九州大学)脳磁図データを取得することができたので、これらのデータを活用すべきであり、さらに、正中神経繰り返し刺激から触覚振動刺激データも取得できた。それらの脳内活動部位を詳細に調べるためにMRIの既知情報も利用すべきであると考えて64bitのデータ解析環境を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しく九州大学で測定した脳磁図を解析してみると、脳内通信を解析するための必要となるデータとしての体性感覚誘発関連磁場を正しく抽出することが大切と分かった。そのために必要となる方法を確立しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
脳磁図解析の研究の推進に伴い、精度あるデータの確保が必要になったので、九州大学での装置でデータを取得した。このデータは306chでサンプリング周波数の5kHzが可能であったため、一度のこれらのデータを扱うために64bit環境における解析がスムーズにできるように改良し、そのプラットフォームで動くようにMRI関連のソフトをインストールして、データ解析に慣れておく必要がある。
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