2012 Fiscal Year Annual Research Report
回答の内的一貫性に基づくWEB調査における不良回答の自動識別に関する研究
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22500255
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山田 文康 静岡大学, 情報学部, 教授 (40158217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
漁田 武雄 静岡大学, 情報学部, 教授 (30116529)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 調査の信頼性と妥当性 / satisficeな回答傾向 / Webアンケート / 不良回答の識別 |
Research Abstract |
1.調査の実施とデータの取得 Web調査を模したパソコン上で動作する調査実施システムを利用し、スポーツを対象としたSD形式の調査項目を用いて、調査票の中での質問項目の配置という点で異なる4つのデータを取得した。それらは、①形容詞対の提示順序、左右の配置を全てランダムに設定、②形容詞対の提示順序のみをランダムに設定、③形容詞の左右の配置をランダムに設定、④形容詞対の提示順序、左右の配置を全て同一に設定、である。回答者は183名である。 2.分析結果の概要 調査票の無作為性が高まる程(④→①)、回答者の負担が大きくなると考えられ、それらは、①回答時間が長くなる、②評価の視点が曖昧となるといった影響を回答に与えていることが明らかとなった。特に②については、中央のカテゴリに回答が集まる(判断の留保傾向)、形容詞対間相関がほぼ一定の値をとり、形容詞対による評価の差異が小さい、さらには、回答は「好意-非好意」の大枠での評価に留まり、スポーツの特性や回答者の興味関心といったより詳細なイメージまで引き出せていない等の結果となって現れていることを確認できた。 調査票に対する回答は、回答者にとって自分の考えを整理し、再構成する作業でもある。本研究における項目配置の無作為化に基づく実験結果は、「無作為化」が、回答者が評価の視点を構成していく過程を妨げた可能性を示唆するものである。無作為化によって系列位置効果を排除することも重要であるが、同時に回答者がスムーズに自身の考えを整理していく流れを整えることも、項目の配置には重要な視点と考える。ここでの成果は、信頼性・妥当性の高い調査方法の開発・提案に繋がるものであると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)