2012 Fiscal Year Annual Research Report
非定常時系列に対するパターン・エントロピー時系列による解析と応用
Project/Area Number |
22500262
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
石崎 龍二 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (90265017)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 非定常時系列 / パターン・エントロピー / エントロピー / 時系列分析 / 揺らぎ解析 / カオス |
Research Abstract |
本研究では、非定常時系列の変動の不安定性を定量化するための新しい解析法として、パターン・エントロピーによる時系列解析法を使った分析を行った。過去に行ったパターン・エントロピーによるラットの脳波(EEG)の分析では、ラットのEEGをパターン・エントロピーに変換した結果、EEGのパターン・エントロピー時系列の変動は、ラットの睡眠覚醒状態のレベルの推移と相関があることを示した。 本研究では、パターン・エントロピーによる外国為替レートの時系列分析に取り組んだ。外国為替レートは、複雑な時間変動を示す非定常時系列であり、平均や分散等の長時間平均で時系列を特徴づけることが困難である。そこで、時系列の対数差分を取り、時系列の定常化を行った。しかし、時系列の対数差分を取っても、ランダムな時系列とはならず、いずれの外国為替レートの時系列も、対数差分の分布は正規分布よりも中央が尖って裾野の長いLeptokurticな分布となった。そこで、時系列の局所的な変動の不安定性を定量化するために、パターン・エントロピーによる時系列法を試みた。具体的には、米ドル/円為替レートの日次データ(約22年間)を分析した。この日次データに対して、パターン・エントロピーに変換して、時系列の特徴を調べた結果、極端な円安や円高のターニングポイントの前後の期間や、リーマン・ショック後で、パターン・エントロピーが長期間高い値を示し、パターン・エントロピーにより、外国為替レート時系列の局所的な変動の不安定性を定量化できる可能性を示すことができた。 パターン・エントロピーの値は、チャンネル数、ウインドウ幅、閾値のパラメータの3つのパラメータにより決定される。今後、他の非定常時系列へも、このパターン・エントロピーを応用するためには、分析対象のデータの性質を十分に考慮しながら、パラメータの選択をしなければならない。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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