2010 Fiscal Year Annual Research Report
薬物血中濃度曲線下面積のバイアスのない推定方法と信頼区間構築方法の開発
Project/Area Number |
22500264
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
鶴田 陽和 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (10112666)
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Keywords | 統計学 / 薬学 / 血中濃度曲線下面積 / ブスルファン / 投与量個別化 / 少数回採血法 |
Research Abstract |
(1)「臨床試験例の整理とブスルファンの体内動態の解析 これまでに、臨床試験計画に基づき造血幹細胞移植を施行した9例においてBU(1mg/kg)内服後6時間までに11回、また69例で内服後6時間までに5回血中濃度を測定しているので、これらの78症例を使って母集団薬物動態解析を行い、日本人患者の薬物動態パラメータの分布を調べた。さらに、理論濃度の対数と実測値の対数の差の分布を調べ、「患者内誤差の対数正規分布」がほぼ成立していることを確認した上、BUの血中濃度の患者内誤差の経験分布関数を求めた。 (2)ブスルファンの血中濃度下面積推定の新しいアルゴリズムの開発 上記の母集団薬物動態解析の結果から求めたBUの体内動態のパラメータ(消失速度定数など)の分布をもとに、それぞれの値を考えられる範囲で動かすことにより、日本人患者で考え得るBUの濃度変化曲線群を生成した。この症例データベースをもとに重み付き最小二乗法を利用して、4回の血中濃度測定結果からAUCを推測するアルゴリズムを考案し、Delphi(プログラミング言語ソフトウェア)を使って実際に計算ができるようプログラムを開発した。 (3)AUCの新しい推定アルゴリズムの検証 上記の新しいLSMによって求めたAUCの推定値の分布を求める方法を開発し、推定値の正確度と精度を検証し、いずれも既存の手法より優れていることを確認した。具体的には、(1)で求めた日本人患者のBUの薬物動態と患者内誤差の経験分布関数を利用して模擬症例を多数生成し、各症例に新しいLSMを適用してAUCを推定する手続きを繰り返すことによりAUCの推定値の分布を求め、それを元に正確度と精度の双方の検証を行った。
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Research Products
(2 results)