2011 Fiscal Year Annual Research Report
薬物血中濃度曲線下面積のバイアスのない推定方法と信頼区間構築方法の開発
Project/Area Number |
22500264
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
鶴田 陽和 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (10112666)
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Keywords | 統計学 / 薬学 / 血中濃度曲線下面積 / ブスルファン / 投与量個別化 / 少数回採血法 |
Research Abstract |
(1)ブスルファンの血中濃度下面積推定の新しいアルゴリズムの開発 前年度に行った母集団薬物動態解析の結果から得られたブスルファンの体内動態のパラメータ(消失速度定数、一次吸収速度定数など)の分布をもとに、それぞれの値を考えられる範囲で動かすことにより、日本人患者で考え得るブスルファンの濃度変化曲線群を生成した。この症例データベースをもとに重み付き最小二乗法を利用して(重みとしては濃度の逆数を採用)、4回の血中濃度測定結果からAUCを推測するアルゴリズムを考案し、プログラミング言語Pascalを使い実際に計算ができるようプログラムを開発した。 (2)AUCの新しい推定アルゴリズム(血中濃度データベース検索法)の検証 上記の新しいAUC推定アルゴリズムによって求めたAUCの推定値の分布を求める方法を開発し、推定値の正確度と精度を検証し、いずれも既存の手法より優れていることを確認した。具体的には、前年度に求めた日本人患者のブスルファンの薬物動態と患者内誤差の経験分布関数を利用して模擬症例を多数生成し、各症例に新しいAUC推定のアルゴリズムを適用してAUCを推定する手続きを繰り返すことによりAUCの推定値の分布を求め、それをもとに正確度と精度の双方の検証を行った。 (3)原著論文による報告 上記(1)(2)の研究結果のうち、正確度の検証に関する部分は医療情報学連合大会から推薦を受けたので、原著論文としてまとめ、「医療情報学」誌に投稿・受理され2011年発刊の第30巻に掲載された。 (4)国際学会での報告 正確度の検証に加えて精度の検証に対する新しい手法について国際学会で報告を行った
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定の計算を完了し、原著論文として投稿、採択、掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
AUC推定式の正確度について評価するアルゴリズムとプログラムを作成してその性能を実証し原著論文(和文)として発表したので、次に正確度と精度を同時に評価する新しいアルゴリズムについて検証を行い、原著論文(英文)として発表する。
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Research Products
(4 results)