Research Abstract |
本研究は,観測個体数や項目数が膨大であるデータを念頭に,発見的な考察を可能とする可視化手法や次元縮約手法・変数選択手法を検討・提案し,データの様相をより正確にとらえられるようにすることで,そのための効率的な計算アルゴリズムの開発と計算環境の提供も行っていくことが目的である。 本年度の研究実績は,次の通りである。 先行研究等の情報収集と分析・整理については,連携研究者の協力を得て,情報の可視化(連携研究者・中野)や主成分分析やシンボリックデータ解析などのデータ縮約(連携研究者・足立)に関する研究会をもつとともに,ゲノムの研究者にヒアリングするなど,基礎的な情報収集と動向評価を行った。 上記に基づき,効率的な可視化と次元縮約手法の検討に入った。ここでは,主として,タッチパネル式のディスプレイによるインタラクティブな指令方式に焦点をあて,開発の準備に入った。ただし,今年,Android OSやインタフェースが飛躍的に拡充されたため,開発手順についての再検討も行い,次年度に備えることとなった。 次元縮約や変数選択の計算の効率化については,すでに,先行している研究を充実させる形で,開発中の計算加速化手法を,反復計算が必要となる質的変数の主成分分析や,組合せ計算が必要な変数選択へ適用する研究を行った。 本研究によって得られた知見や情報を公開すべく,サーバーの入れ替えを行い,既存のサイトhttp://mo161.soci.ous.ac.jp/vasmm/を拡張する準備を整えた。 以上の成果,特に,計算の加速化については,学術雑誌に投稿するとともに,国際会議(COMPSTAT2010,パリ)で発表した。
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