2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500269
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
藤澤 洋徳 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (00301177)
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Keywords | 遺伝子発現差解析 / 有意性検定 / P値 |
Research Abstract |
【研究の目的】ゲノムデータにおいては,繰り返し実験の回数(n)よりも説明変数の数(p:たとえば遺伝子数)が圧倒的に多い場合,いわゆる「n<<p」問題への対処を,統計科学に強く要請している.この問題においては,古典的な統計科学の手法を,簡単には援用できない.そこで,遺伝子発現データにおける遺伝子発現差解析においては,ある遺伝子の遺伝子発現差を検出するのに,他の遺伝子のデータを援用するという試みがアドホックに提案されている.本申請研究では,アドホックにではなく,他の遺伝子のデータを「うまく」援用できるための本質的な条件は何であるかを適切に捉え,このタイプの研究に統一的な観点を与えたい.そして,そのような条件の下で,どのような検定が最適であるかを考えたい. 【研究の成果】本年度は平均の同等性検定を対象にした.データの背後にある分布が対称な場合には,本研究申請の前に結果を得ていた.ある種のクラスでは,ある検定統計量が最適であると分かっていた.本年度は,データの背後にある分布が対称でなくても,二つの母集団において,ある種の同一性を持つクラスでは,ある検定統計量が最適であると分かった.後者の検定統計量は前者の検定統計量よりも自由度が一つ小さかった.結果として,後者の新しい検定統計量に基づくと,検出力もより高く,P値推定という意味でも安定性がより高い,という性質が期待された.その性質を数値実験で確認した.論文をまとめて投稿した.
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Research Products
(4 results)