2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500279
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
作村 諭一 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (50324968)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | システム生物学 / 細胞形態 / 数理生物 / 統計解析 |
Research Abstract |
神経細胞の形態の極性形成は、神経突起先端における力学的牽引力によってなされる。神経細胞が生成する力を推定するために、共同研究者が観測した実験画像の解析を行った。生物実験では、微小なビーズが埋め込まれた培地を用いており、細胞が培地に力を加えるとビーズの位置が変化する。このビーズの変移から力を推定するアルゴリズムが完成し、細胞外環境と力の関係を定量的に調査した。その結果、細胞が外部の誘導因子(netrin)濃度に関する情報を駆動力の大きさに変換していることを世界で初めて示した(Toriyama et al., Curr Biol. 2012)。関連の解析アルゴリズムについては論文投稿中である。 神経細胞の発達中における不規則現象の意義について、神経極性の定量数理モデルを用いた研究を行った。生物において周期的な現象は多々存在し、その役割も解明されてきたが、神経極性形成においては規則性が悪影響を及ぼす可能性を示した。具体的には、神経突起への分子輸送の不規則性が極性形成にとって重要であることが分かった。それまでの結果に加えて当該年度はこれらの大幅な展開を加えることができた。現在、論文準備中である。 細胞内のRhoファミリー低分子量Gタンパク質(Cdc42/Rac1/RhoA)の活性分布データと細胞運動に関する定量数理モデルを進めた。当該年度では、分子活性から力学過程を経て細胞形状の変化に至る力学的なモデルを立て、実験データ、すなわちCdc42/Rac1/RhoA それぞれの分子活性度と実際の形状変化に関する数値を導入した。その際、形態変化によって生まれる物理的力が必要であるが、Gタンパク質活性と同時計測は困難である。そのため、形状変化データを利用して物理的力の逐次ベイズ推定を行った。その結果、Gタンパク質活性と細胞運動の定量的関係を比較的簡素に示すことができた。現在、論文準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)