2010 Fiscal Year Annual Research Report
発生期の脳組織中で神経幹細胞の維持と分化を制御する機構の解明
Project/Area Number |
22500289
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川口 綾乃 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90360528)
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Keywords | 神経幹細胞 / 単一細胞cDNA / in vivoエレクトロポレーション / 大脳発生 |
Research Abstract |
(1) 神経幹細胞の発生時期に応じた性質の違いに関与する分子の検討 哺乳類大脳の発生過程で、神経幹細胞の維持と分化のバランスは発生時期に応じて変化することが知られており、そのバランスの維持と変化のシステムを知ることは重要である。単一細胞由来cDNAのマイクロアレイデータを基にして、発生時期に応じて神経幹細胞内で発現レベルが変動する遺伝子を同定した。このリストの中から選んだ候補遺伝子に対して、in vivoエレクトロポレーションによりマウス胎児脳への過剰発現、あるいはsiRNAによる発現抑制実験を行い、神経幹細胞の増殖および分化に与える影響について検討した。 また、これまで得ていたマウス胎生11日目、14日目、16日目に加え、胎生12日目、13日目の神経幹細胞の単一細胞cDNAを新たに作成した。これらの神経幹細胞由来サンプルに対して、リアルタイムPCRを用いて各種遺伝子の発現レベルの解析を行い、発生時期に応じて神経幹細胞の細胞集団が具体的にどのように変化しているのかを明らかとすることができた。 (2) ClustII-1による細胞形態の変化が神経幹細胞の運命決定へ与える影響の検討 胎生中期において、誕生直後のニューロン前駆細胞で発現する遺伝子ClustII-1の機能を探るため、内在性のClustII-1に対する抗体を用いて免疫染色を行いその局在を同定した。またClustII-1のmRNAの発現を効果的に抑えることのできるsiRNA配列を決定した。これを用いてノックダウンした場合に、ニューロン前駆細胞の脳室面からの離脱と形態にどのような変化が見られるのかを調べるため、Cre-1oxpΦのシステムを使ってまばらに細胞をラベルし観察する実験系を確立した。
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Research Products
(1 results)