2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路形成における細胞分化制御プログラム関与の統合的解析
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22500295
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小野 勝彦 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (30152523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 真 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (10323007)
後藤 仁志 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (20462202)
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Keywords | Olig2 / 回路形成 / 転写因子 / 軸索トレース |
Research Abstract |
平成23年度には、電気先行法を用いた解析とOlig2欠損マウスの脳形成の解析を行なった。 子宮内電気穿孔法を用いた解析;胎齢12.5日目のマウス胎仔の間脳に電気先行法を用いて遺伝子導入と異所性発現を試みた。GFP遺伝子とOlig2遺伝子の発現ベクターを第三脳室に注入し、その後25~30ボルトの矩形波を与えた。その結果、GFPの発現とOlgi2の異所性発現とが、間脳領域に認められた。Olgi2の下流遺伝子候補の発現変化の詳細は現在解析中である。 ニワトリ胚脊髄へのOlig2異所性発現による解析;ニワトリ胚脊髄へのOlig2異所性発現では、運動ニューロンマーカー(lslet1/2とHB9)の発現、slit2とephA3に着目して解析を行なっている。Olig2の異所性発現によりlslet1/2の発現は誘導されるものの、現在までのところslit2とephA3の大きな変化は見られていない。今後は、Olig2の導入時期を変えて(早めて)解析を継続していく。 Olig2欠損マウスの脳の解析;初年度(平成22年度)で、Olig2欠損マウスで腹側視床の形成に異常が見られることと背側視床における軸索構築異常を見出した。軸索構築の異常が腹側視床の形成異常であることを示す目的で、Olig2欠損マウスにおける前脳領域の形成を詳細に解析した。軸索ガイダンス分子や転写因子の発現からは、終脳腹側部や背側視床はほぼ正常に形成されていた。特に視床皮質線維をガイドするcorridor cellが正常に配列していたことは回路形成の異常が、細胞自律的もしくは非自律的に引き起こされるかを考える上で重要な所見と考えられる。 以上が平成23年度の主なせいかである。これをもとに、平成24年度では細胞分化プログラムと細胞挙動の関連をさらに解析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞分化調節を行う転写因子のOlig2が回路形成調節を行う機能を持つことを見出しており、領域形成や細胞自律的もしくは非自律的という点を示すことができれば、課題の達成に大きく近づく。
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Strategy for Future Research Activity |
用いているマウスのOlig2遺伝子座にはCreER遺伝子がノックインされており、レポーターマウスと交配させることにより、Olig2細胞やその特記を標識することが可能である。Olig2遺伝欠損させた場合のOlig2細胞の挙動を解析することで、見出されているOlig2欠損マウスの表現系が細胞自律的もしくは非自律的というを明らかにできる。既に予備的な解析を始めており、適切なタモキシフェン投与の時期などを調べつつがる。
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Research Products
(5 results)