2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路形成における細胞分化制御プログラム関与の統合的解析
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22500295
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小野 勝彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30152523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 真 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10323007)
後藤 仁志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20462202)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Olig2 / EphA3 / 視床 / 腹側視床 / 脊髄 / 神経回路形成 / 視床皮質投射 |
Research Abstract |
Olig2は細胞分化を調節する転写因子であることが知られている。最近になって、細胞分化調節転写因子が、分化したあとの細胞挙動を調節することが報告されるようになってきた。本研究では、Olig2の神経系組織構築形成や回路形成への関与を調べることを目的とした。 Olig2欠損マウスの前脳を用いたマイクロアレイ解析により、発現変化を起こしている軸索ガイダンス分子を探索した。その結果、EphAとEphA5の発現上昇が示唆された。in situ hybridizationによる解析から、脊髄や腹側視床ではOlig2とEphA3、EphA5の重複した発現は見られなかったが、隣接する領域での発現は見られた。このことは、Olig2がEphA3などに対してnegativeに調節している可能性を示唆した。しかし、ニワトリ胚脊髄にOlig2の異所性過剰発現を行ったが、EphA3の発現に変化は見られなかった。 さらに、前脳領域の形成におけるOlig2の機能を調べるため、Olig2欠損マウスでその発生を調べた。その結果、このマウスでは腹側視床が胎齢11.5日目(E11.5)から前脳の中で特異的に形成不全を起こしていた。一方で、腹側視床の腹側に位置するthalamic eminence(TEM)の領域は拡大していた。視床や腹側終脳などの形成に異常は認められなかった。Olig2欠損マウスでの視床皮質投射の形成を調べたところ、形成の初期(E13.5)から視床皮質投射の走行が乱れ、また軸索伸長が阻害されていた。また、腹側視床ではEphA3の発現は見られなかった。 以上の結果から、Olig2が腹側視床の形成を介して、視床皮質投射回路の形成に関わっていることとこれにEphA3の発現抑制が関わっていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)