2010 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスベクターを使った皮質回路研究:6層ニューロンの種間、領野間比較
Project/Area Number |
22500300
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
渡我部 昭哉 基礎生物学研究所, 脳生物学研究部門, 准教授 (40290910)
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Keywords | 大脳皮質回路 / ウイルスベクター / 蛍光タンパク質 / レンチウイルス / 逆行性感染 / TET誘導 / 6層ニューロン / マーモセット |
Research Abstract |
この研究課題は、6層ニューロンの投射タイプ特異的な特徴を明らかにし、その種差、領野差を解明することを目的として計画した。そのための手法として、逆行性レンチウイルスベクターを使った遺伝子導入法の改良を進め、さらにチャンネルロドプシンを使った新しい機能結合解析法を開発することを目指している。本年度は、この目的に沿って以下の3点について研究を行った。 (1)逆行性感染系の改良:TETシステムを応用することで、2点間をつなぐニューロン特異的に遺伝子発現を導入させる新手法TEDI(TET-Double Infection)法を開発した。この手法を使えば、目的外の細胞感染による邪魔のない観察が可能になる。現在、ウイルスベクター系の改変などにより、より効率の良い実験系の確立に努めている。また、効果的なウイルス注入法の確立を目指して、試行錯誤を繰り返しているところである。 (2)回路解析ツールの改良:多重染色の出来る蛍光タンパク発現系や、細胞内局在を制御するためのタグ付き蛍光タンパク、チャンネルロドプシン、カルシウムセンサーなどのタンパクの発現ベクターを作製した。In vivoにおける発現解析は今後の予定である。 (3)マーモセット脳へのレンチウイルスベクターの注入:マーモセットにレンチウイルスベクターを注入し、TETによる発現増幅を確認した。脳深部への注入のため、MRIを使って脳構造を可視化することを試みた。 2011年度には、2010年にテストしたツールの改良、及び、実際の解析への応用を目指す。
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Research Products
(5 results)