2012 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスベクターを使った皮質回路研究:6層ニューロンの種間、領野間比較
Project/Area Number |
22500300
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
渡我部 昭哉 基礎生物学研究所, 脳生物学研究部門, 准教授 (40290910)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 大脳皮質回路 |
Research Abstract |
この研究課題は、哺乳類大脳皮質の基本回路を解明し、さらに種・領野特異的な特殊化の実体を解明することを目的とする。具体的には、6層ニューロンのサブタイプに焦点を当て、それらの形態、遺伝子発現、及び皮質内結合の共通性と違いを、マウスとマーモセットの各皮質領野で比較する。 この研究提案の発端となったのは、ラットの6層に存在する視床投射ニューロンと、皮質投射ニューロンの2種類のサブタイプが、それぞれPCP4及びCCK遺伝子を特異的に発現しているという発見である。この情報を元に、これらのサブタイプの分布状態の違いをラットのさまざまな領野で比較した研究結果をまとめ、本年度論文として公表した (Watakabe et al. J Comp Neurol)。 一方、本研究提案での中心目標であった、逆行性レンチウイルスベクターを使った投射タイプ特異的遺伝子導入法については、ニューロンの全体像を可視化する方法として、テトラサイクリン誘導システムに必要な二つの転写ユニットを搭載した新規ベクターを開発し、その有用性について論文で公表した (Watakabe et al. PLosOne)。 また二つのベクターを使って、投射元と投射先の2点間をつなぐニューロンを可視化するTET2重感染法(TEDI)については、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)1型を使うことで、より高効率な遺伝子導入ができるようになった。また発現する蛍光タンパク質に細胞内局在タグをつけることで、比較的染色効率が悪い軸索突起、及びブートンをより強く染色できるようになってきた。TEDIに関しては、現在論文公表のためのデータ取得実験を継続して行っている。チャンネルロドプシンを使った新しい機能結合解析法については、遺伝子導入系の確立が予定より遅れたために、着手することができなかったが、これまでの研究成果を活かした実験を今後行う。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Visualization of cortical projection neurons with retrograde TET-off lentiviral vector.2012
Author(s)
Watakabe A, Kato S, Kobayashi K, Takaji M, Nakagami Y, Sadakane O, Ohtsuka M, Hioki H, Kaneko T, Okuno H, Kawashima T, Bito H, Kitamura Y, Yamamori T. (Watakabe A)
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Journal Title
PLoS One. 2012
Volume: 7
Pages: e46157
DOI
Peer Reviewed
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