2012 Fiscal Year Annual Research Report
BDNFプロドメインの新しい生理作用に関する構造生物学と神経生理学の融合研究
Project/Area Number |
22500305
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小島 正己 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 研究グループ長 (40344171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上垣 浩一 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 研究グループ長 (00356544)
石川 保幸 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (90346320)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 神経栄養因子 / 神経細胞 / 神経伝達 / プロセッシング / 分泌 |
Research Abstract |
成長因子をはじめとする生体タンパク質は、活性化型になるまでにプロセッシングと呼ばれる酵素反応を受けるものが存在する。本研究においては神経栄養因子のプロセッシングに反応proBDNF→mature BDNF+BDNF pro-peptideに注目した。多くの成長因子の活性化に共通するメカニズムであるが、mBDNFと同時に産生されるpro-peptideの生理機能の研究は進んでいない。平成24年度の本研究においては、pro-peptideの生理活性について次の2点を明らかにした。Y.-A. Bardeとの共同研究により、内在性BDNF pro-peptideがシナプス前部に存在することを示したが(DIeni et al., 2013)、BDNF pro-peptideが培養海馬神経細胞の培養上清にも存在することを確認した。さらには、ノックアウトマウス、特異的ブロッカーを用いた電気生理の研究から、BDNF pro-peptideは神経伝達の長期抑制(LTD)を促進する因子であること、そのメカニズムとして、p75を介するシグナル伝達が重要であること、LTDの分子メカニズムであるグルタミン酸受容体の細胞表層からのendocytosis、exocytosisをBDNF pro-peptide自身が促進することを見いだした。以上の研究から、BDNF pro-peptideは、プロセッシングに反応proBDNF→mature BDNF+BDNF pro-peptideの反応残物ではなく、LTDの促進因子として機能することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)