2012 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍の診断と治療に有効なミクログリア/マクロファージのサブタイプの同定
Project/Area Number |
22500321
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 惇 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80225862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中里 洋一 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10106908)
横尾 英明 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40282389)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ミクログリア / マクロファージ / 脳腫瘍 / グリオーマ / トランスジェニックラット / TAM / Iba1 / v-erbB |
Research Abstract |
我々は今年度、S100beta-v-erbB トランスジェニックラットにおけるグリオーマ組織内tumor-associated macrophages (TAM)について、免疫組織化学的解析、定量的画像解析、統計学的処理と蛍光抗体二重染色法を用いた研究をまとめ、第53回日本神経病理学会に発表した。その後、論文を"Neuropathology"に投稿し、受理された。 具体的には、同ラット11個体に発生した13の脳腫瘍を研究対象とした。腫瘍の内訳は、anaplastic oligodendroglioma (AO) 5、malignant glioma (MG) 4、low-grade astrocytoma (AS) 4。免疫組織化学的検討は、酵素抗体法と蛍光抗体法を用いた。Iba1およびSP6(Ki-67)染色標本では、画像解析ソフトを用いて定量的解析も施行した。その結果、AOとMGの全例で、多数のIba1陽性活性型ミクログリア/マクロファージが腫瘍組織内に認められた。AO4例で単位面積あたりのIba1陽性細胞占有面積を定量的に解析したところ、腫瘍組織内部は非腫瘍部と比較して優位に増加していた。活性型ミクロログリア/マクロファージの浸潤は、ASは他の悪性型グリオーマ(AO,MG)と比較して軽度であり、ASのKi-67陽性率は低かった。CD163やCD204陽性のTAMは壊死組織や微小血管増殖に少数認められた。 このように、S100beta-v-erbB トランスジェニックラット発症グリオーマは腫瘍組織内、特に壊死と微小血管増殖部でヒトグリオーマと同様のTAMを有しており、有効な実験モデルであることが示された。今後は、おもに血管新生におけるTAMの役割解析をすすめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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