2010 Fiscal Year Annual Research Report
変性オリゴデンドロサイトによる神経細胞α-synuclein蓄積の抑制の検討
Project/Area Number |
22500326
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
矢澤 生 独立行政法人国立長寿医療研究センター, バイオリソース研究室, 室長 (20312217)
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Keywords | α-synuclein / 多系統萎縮症 / オリゴデンドロサイト / モデルマウス / 神経変性 / グリア細胞封入体 / 初代培養 / 神経変性治療 |
Research Abstract |
オリゴデンドロサイトにα-synucleinが蓄積して神経変性を起こす多系統萎縮症 (MSA)は治療法が確立していない神経難病である。これまでに研究で、変性したオリゴデンドロサイトが神経細胞の変性誘導する機序を解明した。オリゴデンドロサイトで特異的にヒトα-synucleinを強制発現するトランスジェニック(TG)マウスを作製し、GCIなどのMSAの病理組織学的特徴を有する疾患モデルとして報告した。TGマウスでは運動機能の低下や脳萎縮、神経細胞の脱落が観察され、変性したオリゴデンドロサイトが神経細胞の変性を誘導することを示した。さらに、TGマウス脳由来の初代培養細胞に関する研究によりTGマウス脳神経細胞に蓄積するα-synucleinはMSA患者脳に起こる病的不溶化を示すことを示し、α-synucleinと同様に不溶化を起こす蛋白として微小管の構成蛋白であることを示した。本年度は、神経細胞変性の原因となるα-synuclein蓄積を治療標的として治療研究を行った。初代培養細胞等のin vitro研究で解明したα-synuclein蓄積の抑制結果から、MSAモデルマウス個体での抑制効果を検証し、マウス個体の神経変性に有効であることが分かった。
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