2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経型一酸化窒素合成酵素による一酸化窒素‐活性酸素シグナル伝達機構
Project/Area Number |
22500337
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
居原 秀 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60254447)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 神経型一酸化窒素合成酵素 / 活性酸素種 / 一酸化窒素 / 8-ニトロ-cGMP / MPP+神経毒性 / H-Ras / 硫化水素 / NO-ROSシグナル |
Research Abstract |
細胞情報伝達における新たな概念である活性酸素種(ROS)シグナルについて、一酸化窒素合成酵素(NOS)に注目して研究を行ってきた。NOSは生体内多機能分子であるNOを合成するだけでなく、ROSも産生する。産生されたNOとROSは、さらに反応性の高い活性窒素酸化種となり生体分子をニトロ化しシグナルとして機能する(NO-ROSシグナル)。我々はこのシグナルの下流分子として8-ニトロcGMPを発見している。 これまでに、ROS産生能の異なるNOSスプライシング変異体恒常発現細胞を用いて、神経毒である1-methyl-4-phenylpyridinium(MPP+)処理することによって細胞内にNOS由来のROSに依存して8-ニトロcGMPが産生されること、nNOS恒常発現細胞においてMPP+神経毒性が強まることを見出した。また、このnNOSに依存した毒性増悪効果は、nNOS由来のROSが関与していた。 24年度、申請者らは、心筋細胞において、8-ニトロcGMPが、H-RasをS-グアニル化し活性化することによって、Rafを介してMAPキナーゼカスケードを活性化し、細胞死へと導く新たな情報伝達経路を見出した。この「8-ニトロcGMP→H-Ras→MAPキナーゼカスケード→細胞死」シグナルは、nNOS発現PC12細胞におけるMPP+神経毒性の増悪効果にも関与していることを示した。この増悪効果は、nNOS、MAPキナーゼの阻害剤だけでなく、第三のガス状メディエーターとして注目されている硫化水素(実際は硫化水素アニオン)によっても阻害された。 本研究での成果は、様々な神経変性疾患における分子メカニズム解明の一助となり、将来的な予防・治療戦略を確立する上でも重要である。NO-ROSシグナル伝達機構の統合的理解は、基礎、医学を含めた生命科学の幅広い分野における学術展開に資するものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(23 results)
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[Journal Article] Hydrogen sulfide anion regulates redox signaling via electrophile sulfhydration.2012
Author(s)
(Nishida M), (Sawa T), Kitajima N, Ono K, Inoue H, Ihara H, Motohashi H, Yamamoto M, Suematsu M, Kurose H, van der Vliet A, Freeman BA, Shibata T, Uchida K, Kumagai Y, Akaike T
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Journal Title
Nature Chemical Biology
Volume: 8
Pages: 714-724
DOI
Peer Reviewed
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