2010 Fiscal Year Annual Research Report
内在性神経幹細胞遊走能活性化分子の機能解析と損傷脳再生医療への応用
Project/Area Number |
22500340
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
浜之上 誠 東邦大学, 医学部, 講師 (00312025)
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Keywords | 神経幹細胞 / 細胞移動 / p38 MAPキナーゼ / Tat融合蛋白質 / 培養系 |
Research Abstract |
1. Tat-p38の神経幹細胞への取り込み・排出機構の解析 「目的」本研究において内在性神経幹細胞の遊走能活性化分子として利用するTat融合p38蛋白質が、培養神経幹細胞に導入可能かどうかを検定した.「方法」大腸菌で作製したTat-p38をFITCにて標識し、カバースリップに培養しておいた神経幹細胞に本標識蛋白を添加し蛍光顕微鏡下にて経時的に細胞質内の蛍光強度の変化を観察した.ネガティブコントロールとしてTatペプチドを欠損したp38蛋白質を使用した。「結果」細胞内蛍光強度は添加後速やかに上昇し、1時間以内にプラトーに達した。蛍光強度は16時間後まで細胞内に観察された。以上の結果から、Tat融合p38蛋白質は添加後迅速に細胞内に取り込まれ、長時間にわたり細胞内に留まることが可能であることを明らかにした. 2. Tat-p38の神経幹細胞遊走能活性化能の解析 「目的」Tat-p38のin vitroにおける神経幹細胞遊走能活性の定量化を目的とした。「方法」Transwell培養器具上部に培養神経幹細胞を播種した後、培養器具下部にTat-p38を添加し、12時間培養する.その後、培養器具の上部と下部の生存細胞数を細胞内ATP測定法により測定した.「結果」Transwell培養法における移動細胞数は、Tat-p38蛋白質の儂度依存的に増加し、約300nM程度で最大効果を示した.Tat配列の無いTat蛋白質、キナーゼ活性を欠失したTat-p38蛋白質、Tat融合GFP蛋白質はいずれも移動細胞数増加作用を示さなかった.またこのTat-p38による移動細胞数増加作用は、p38MAPキナーゼの特異的阻害剤であるSB203580の同時添加により消失した。以上の結果から、細胞内に移行したTat-p38蛋白質のキナーゼ活性により移動細胞数の増加が誘導されることを明らかにした.
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Research Products
(6 results)