2011 Fiscal Year Annual Research Report
行動戦略の統合的制御における前頭前野内側部の新領域の役割
Project/Area Number |
22500349
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松坂 義哉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30312557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋 啓節 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60124583)
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Keywords | 前頭前野 / ニホンザル / 戦略 / 戦術 / ニューロン |
Research Abstract |
本年度は先に提出した研究実施計画に従い、複数の戦略を適宜使い分けつつ左右どちらかのボタンを押すようニホンザルを訓練した。但し、計画書で記述した課題のデザインに対して以下の改良を行った。1)当初のデザインではボタン選択の戦略は二種類(color conditional taskとspatial taskの使い分け)だったが、更に条件を細分化し、conditional task,spatial taskについてそれぞれ2種類ずつ、計4種類の戦略を設定した。2)当初のデザインでは、一種類の指示信号によってボタン選択の戦略を確定させていたが、新しいデザインでは4種類の戦略のうち、どれに従ってボタンを選択するか二段階に分けて指示する信号を与える。3)各指示信号の持つボタン押し戦略に関する情報量をシステマティックに変化させ、最初の指示信号だけで戦略を確定するか、二段階目で初めて確定するか選択できるようにする。 以上の改良によって、先行研究(例、White & Wise Exp-Brain-Res. 126 : 315-335, 1999 ; Wallis et al. Nature 411 : 953-956, 2001)との差別化が可能となったほか、指示信号の持つ行動戦略に関する情報量と神経活動との関係を情報理論を用いて定量的に解析でぎる見通しが立った。現在、この課題を遂行するよう訓練システムを立ち上げ、ニホンザル三頭の訓練を進めている。また、同時に遅延期間中の細胞活動を色に関する作業記憶と区別するために対照実験(delayed color non-matching to sample task)を設定し、この訓練を続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
訓練中のサルは二頭とも計画書に記述した行動課題をほぼマスターしている。但し、東日本大震災の影響でニューロン記録用機器の特殊部品(ポリ尿素被覆電極)を発注していた企業からの納品が遅れているため、データ記録はまだ開始できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
対照実験として新たに取り入れた行動課題のため、訓練時間が延長している。このため、行動課題を簡素化する一方、データの解析方法を見直すことで対処する。
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