2011 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス形成・維持における基底膜による分子集積の解析
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22500356
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細川 浩 京都大学, 情報学研究科, 講師 (90359779)
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Keywords | スカフォールド / 行動 / 情動 / 集積 / シナプス |
Research Abstract |
本研究の目的は、中枢シナプス間の細胞マトリックスの生理機能を明らかにすることである。本年度は、シナプス膜上に存在する膜貫通タンパク質であるジストログリカンに結合するタンパク質であるMAGI1に注目し解析を進めた。MAGI1は複数のタンパク質結合領域をもつスカフォールドタンパク質であるため、シナプス直下にタンパク質を集積されることで神経系の機能に寄与していると考えられる。そこで、本年度はMAGI1欠損マウスを用いた生理機能解析及び、結合タンパク質の探索を行った。 中枢神経系でのMAGI1の機能を同定するために、MAGI1遺伝子欠損マウスを用いて行動解析および生理機能解析を行った。その結果、情動を含むいくつかの行動異常が同時に観察された。そこで情動系の機能に着目し、薬理実験を行ったが、MAGI1欠損マウスでみられる情動異常を亢進、あるいは抑制する薬剤は発見することが出来なかった。また、MAGI1の結合タンパク質をYeast Two hybrid法を用いて探索し、いくつかの結合候補タンパク質を新たに同定することができた。結合候補タンパク質については、試験管内結合実験、免疫沈降法によって結合タンパク質をさらにしぼりこみを行った。結合候補タンパク質の中には、細胞骨格系、チャネル、タンパク質脱燐酸化酵素が含まれていた。一方、この結合候補タンパク質の生体内での共局在を野生型マウスを用いた免疫抗体法を用いて局在が一致することを確認した。現在、培養細胞系を用いて機能解析を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスの繁殖の遅れから若干の遅れがあったが、その後の行動解析は順調にすすんでいる。また、培養細胞を用いた生化学的な解析及び、形態学的な解析についてもほぼ予定通りにすすんでおり、全体としておおむね順調にすすんでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
生物の実験であるため、生物の繁殖や健康状態によって解析予定が左右される点が問題といえる。この問題は、無細胞を用いた実験系を組み、同時進行させること、解析予定の順序を入れ替えることで対応することが可能である。
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