2010 Fiscal Year Annual Research Report
In vitroスライス培養系におけるシナプス除去とその分子メカニズム
Project/Area Number |
22500359
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大野 孝恵 帝京大学, 医学部, 助教 (60508109)
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Keywords | corticospinal synapse / synapse elimination / competition / CaMKII / live imaging / optical imaging / heterotypic co-culture / exo utero electroporation |
Research Abstract |
I. 皮質脊髄路シナプス形成過程において、シナプス後部(脊髄背側/腹側)がシナプス前部(皮質からの入力)をシナプス競合している可能性が、下記の結果から強く示唆された。 a) tripartite co-cultureの固定標本による群間比較で得た結果同様、exo utero electroporation法による軸索の順行性標識を用いた同一標本のlive imageでも、背側+背側,腹側+腹側,背側+腹側の組み合わせのうち、腹側+腹側及び背側+背側の組み合わせではシナプス除去が生じなかった。 b) 背側と腹側各々のスライスに赤と緑のビーズを置いて逆行性に標識することで、腹側と背側の両者に軸索をのばしている単一皮質ニューロン(黄色)が大脳皮質深層中央部に存在することが確認できた。 II. シナプス除去に関わるsignaling cascade下流の分子を明らかにするために進めている薬理学的スクリーニングで、2Bの下流にあると考えられるCaMKII依存性であることが示唆され、CaMKII α knock in mice (KI)を導入することにより、下記の方法でシナプス除去過程にCaMKIIが関与していることを確認し得た。また少なくとも脊髄が責任部位であることも確認したが、皮質側の関与に関しては現在確認中である a) 野生型とKI由来の組織を用いて、皮質か脊髄どちらか一方のスライスをKIにするheterotypic co-cultureを作成し、膜電位感受性色素を用いた光学的記録にてシナプスの分布を観察したところ、脊髄側にKIを用いた場合にのみシナプス除去が阻害された。 b) Exo utero electroporationにて皮質ニューロンが蛍光を発するマウスを野生型とKIで作製し、皮質と脊髄のいずれの側をKIにした場合に軸索除去が阻害されるのかを、生きたままで追跡中。
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Research Products
(3 results)